ランクル70スタックの画像

スタックからの脱出方法を勉強してみた。

まえがき


先日、ランクル70 で砂浜でスタックした。

幸い居合わせた方々の助けも得て、事なきを得た。

ランクル70で砂浜スタック

ランクル70に乗ろうが乗るまいがヘッポコトラブルはお手の物。

人生何事もその都度勉強するしかないと開き直ればそれまでだけど、ろくな知識も装備もなく単独で出かけてスタックした今回は危険も伴う愚行だ。

ランクル70 がスタックした挙句に水没、なんてニュースが頭をよぎった。

ランクル70水没の画像

もし誰も居なかったら、怖かっただろうと思うのと同時に、もっと砂浜の怖さや脱出に使える知識と装備、経験があったら・・・と考えさせられた。

そんな折、偶然にも本屋に行くと、今の時代にこんな何人買うか分からないような本、良く出せたなぁ(大変失礼)、という今の自分に最も必要な本が売っていた。

あのアウトドアパークブロンコの竹村さんが先生として登場して、ジムニーを使いながらクロカンの基本を説明してくれている。

ライン取り、装備、そして、スタック脱出術

この先、こんな本が何冊出版されるかわかったもんじゃない。

絶対買うべし、ということで衝動買い。

さっそく、この本にかじりついて必要なものを検討。

さらにネットで検索すると、緊急脱出用のアイテムは色々ある。

ランクル70オーナーのHUNKさんや↑矢印さんの教えてくれたお手頃なタイヤ滑り止めから、四駆専門店の高価なものまで。

今回の最大の原因は安易な行動なので、それを控えるのは当然としても、こんな経験をしてしまった以上、脱出アイテムを最低限は用意しないと気が済まない。

さらに、今回、ランクル70 に装備しながら使えなかった宝の持ち腐れ高級アイテムが一つある。

ウインチでランクル80を牽引するランクル70ピックアップ
BONCOでの牽引シーン

それは、後付けしたトヨタのランクル70 用純正電動ウインチ。

ランクル70のウインチ

スタックしてすぐに、ウインチあるよなぁ、と思ったものの、パッと見、アンカーになるのは居合わせた方の小型車のみ。

引っ張ってもらうことも考えたけれど、スペース的に、脱出に都合のいい方向には引っ張ってもらえない状況。

そうなると、こちらが曳くしかない。

でも、ロクに知識もないのに、下手なウインチングで他人の車を壊すくらいならJAF呼んだ方がいいよなぁ、と使う気にはなれなかった。

仕方ないので、ウインチのことは忘れてひたすらタイヤの下に落ちていたマットなどを敷いては、牛歩よろしく微速前進して脱出した。

こうなるとランクル70であることや、折角のウインチは無駄に重たいお飾りみたいなもの。

でも、果たしてアンカーは本当になかったのか、ほかにもっと効率的に脱出する方法はなかったのか、反省かねがね勉強してみた。

すると、ネット上には色々な方法があふれていた。

ここに挙げたのは、ごく一部だろうけれど、ひとまず次回、同じ事になった時のために備忘的にまとめておこうと思う。

「紹介」などというには余りに自分自身未熟。

「偉そうに」と褒めていただくまでもなく、はっきり言える。

どれも自身でやったことがないお勉強レベルなので悪しからず。

フロアマットを使う


緊急脱出のマットを携帯していれば良かったけれど、それすらなかった今回のような場合。

ランクル70フロアマット

現場に使えるものが何もなかったら、自分の車のフロアマットがある!とのこと。

たしかに、特に純正フロアマットはしっかりしているし、枚数も3枚もある。

ランクル70スタック脱出

本当に追い込まれれば思いつくのかもしれないけれど、残念ながら今回はまったく思いが至らなかった。

パニックになったら思考は鈍る。

予め知っておくと役に立ちそう。

タイヤの空気圧をさげる


これはかなり基本的なスタック脱出の方法らしい。

ランクル70空気圧減

今回、ハマった時、

「あちゃー、よりによって幅の狭いスタッドレス(225/85R16)かぁ」

と天を仰いだ。

でも、空気圧を下げて接地面積を増やせばましになったはず。

本によると、10%くらい下げてみる、とあった。

今回の場合、タイヤ交換時に320kpaも入れていて、まだほとんど減ってなかったと思われる。

10%と言わず、200kpaくらいまで減圧すれば大分違うのかなぁ・・・

不謹慎なことに、もう一度行って試したくなるなぁ・・

もちろん、空気圧の下げすぎは注意が必要だし、脱出後のことも考えておかないといけない。

エアーコンプレッサーを携帯していたり、近くにガソリンスタンドでもあればベスト。

最悪、自転車用でも入れられるので、なんとかなるけど、自転車の空気入れ持ち歩いてる人もそうそういないか・・・

BRONCOなどでも空気圧を下げて遊ぶ人が居るのは知っていながらも、今回は全く思いつかなかった・・・無念。

hzj70mnuさんのアドバイス

タイヤのエアを下げるとビードが落ちたり異物を噛み込んだりしますので時々見た方が良いと思います。

グランドアンカー


ネットでは、スタックした場所の周囲に立木など、一般的にウインチのアンカーにするようなものがない場合の方法として、グランドアンカーというものが紹介されていた。

パイプやグレーチングなどを地面に刺したり、何らかの方法で固定したりする事で、地面上にアンカーを作り出すというもの。

ランクル70ウインチ

HUNKさんのコメントであったのスペアタイヤを埋めてウインチのアンカーにするという方法もこの類に整理されそう。

なるほど、スペアタイヤは重くて穴もあって、良さそう。

下のイラストは半分しか埋めてないけど、もっとしっかり埋めるのかな?

HUNKさんからの補足

こんにちは。
スペアタイヤを埋める場合はガッチリ埋めないと駄目なようです。
スペアタイヤを埋めるだけの穴を掘るとなるとそれだけで死にそうなほど疲れると
思います。でも脱出できないと本当に死ぬ可能性もあるので頑張って穴掘るしかないですね。
ウインチ車では最終手段でしょうか?笑

英語サイトですが写真でなんとなく意味わかると思います。
https://www.whichcar.com.au/gear/recovery/recovery-guide-spare-tyre-ground-anchor

でも、アンカーの位置が低すぎると、ウインチの力で車が下方向に行きそうだから、なるべく高目の位置にアンカーを作るほうがいいのかな、なんてど素人的には想像。

百聞は一見にしかず、今度実践して試してみよう。

2ランクル70ウインチ

パイプにせよ、グレーチングにせよ、抜けにくい角度、深さまで地面に刺す、または固定することが肝になる模様。

仮にウインチがない場合は、スペアタイヤも、グレーチングもタイヤの前に出来るだけ穴を掘って埋めてあげればいい滑り止めになりそう。

こういうものを知ると、結局、何を持ってるかよりも、その場にあるものをどうにか使えないかと考える能力、それこそが重要で、非常時に冷静に考えるためには、経験や訓練がある程度必要だろうなぁ、と考えさせられる。

多分、あのヘッポコスタック現場にも使えるものが沢山あったはず。

経験豊富なクロカンマンならば、あっという間に脱出してみせたのかもしれない。

hzj70mnuさんのアドバイス

可能性ですが。アンカーも抜ける事が有りますし、ワイヤーも切れる事が有るのでケガにご注意ください。

脱出用装備品


専用の道具がなくてもスタックからの脱出のために出来ることがあることは分かったけれど、ウインチを実際に活用したり、スタックからの自力脱出を想定するならば、やっぱり最低限の道具は用意する方が賢明。

とりあえず自分が揃える(た)ものは、以下のとおり。

スコップ

タイヤの下に滑り止めを差し込むために砂、泥、雪を掘るためなどに使用する。

ステンレス製なのに錆びまくってるのが家にあった。

勿体ないのでディスクグラインダーなどを使って磨き上げたので、それで我慢。

背面タイヤにスコップホルダーで取り付ける以外にどこかスコップを固定するいい方法はないのかな?

ちなみに、四駆読本によると、外国ではスコップよりもクワが普及してきていて、今後はクワが主流になるとか?

とすると、スコップにもクワにもなる、こんなやつがいいのかも?

2千円ちょっとでなんて盛りだくさんなんだろ?

タイヤ滑り止め

空転するタイヤの下に咬ませてグリップを得るために使用。

年季の入った金属製のもらいものがあって、いかにも頼もしそうだけれど、正直携帯するには不便。

とりあえず1500円ほどで買えるので、今回はプラスチック製のものを購入してみた。

そして届いた感想は「ちっさ!」

まぁ、間違えて2セット買ってしまったからなんとか使えるかな・・・

できることならフロアマットは使いたくないからなぁ・・・

ちなみにこちらはフロントガラスなどの雪落としいも使えるそうだ。

ランクル70用脱出マット

チェーン

昨年末、「チェーンじゃないとダメ規制」が始まるという情報を受けて、ろくに雪道なんか行かないくせに慌てて購入済み。

13000円ほど。

不思議な麻袋?入りだったので箱を買って収納。

そして家に放置してあったのでこの前スタックしたときは家でお休みになっていた。

当然の如く一回も取り付けてないから練習しておかないとなぁ。

もう20数年、チェーンなんて使ったことがない。

hzj70mnuさんのアドバイス

チェーンは岩などをアンカーにするときにも使用できるそうです。

ツリートランクプロテクター

ウインチングの際にアンカーに立ち木を使う場合、幹が痛まないように保護するためのものらしい。

ウインチを実際に使うことを考えてみたことがほとんどなかったので、用意してなかったので、今更ながら購入。

クロカン専用品として売られているものは最低でも5000円くらいはして高いけど、乱丸さんからベルトスリングが同じものと教えてもらったので、2000円以内と安く済んだ。

ランクル70に乗るまで、木の幹を気遣ってるなんて想像もしなかった。

牽引ロープ

乗用車用のものしか持ってなかったので、より強そうなやつを今回購入した。

ちなみに、ベルトスリングも牽引用にも使えるけれど、短いので、これもあったほうが良さそう。

シャックルもセットなのに2000円もしないのでありがたい。

牽引ロープとシャックルクロカン用

S字フックかシャックル

ツリートランクプロテクターとウインチロープを繋げるときなどに使うとのこと。

S字フックのほうが使い勝手がいいらしいけれど、結構な値段がするし、在庫も少なくて、届くのに時間がかかりそう。

今回購入した牽引ロープにシャックルが2個ついているので、ひとまずはそれで経験を積んでみようかな。

hzj70mnuさんのアドバイス

シャックルを使用しますがキッチリと締めると回らなくなる場合が有りますので、締め切りから半回転位戻すと良いです。(玉掛けでもやりますが)

届いたツリートランクプロテクターを作りの荒いシャックルにセットしてみたら、大きさも問題なし。

ウインチ用ツリートランクプロテクター

まぁ、外れるようなことはないだろう。

ウインチ用シャックル

スナッチブロック(滑車)

ウインチのワイヤーロープをダブルラインにする際や、牽引する角度を変える場合などに使う滑車。

ツリートランクプロテクターとウインチワイヤーの間で支点になったりするので、かなりの負荷がかかる。(まるでやったことあるみたいな書きぶりだけど、今は経験はゼロ。)

探すといくつかあったけれど、単純な構造のシャックルなどとは違うので、信頼性を重視して専門メーカー、栄光社のものを選んだ。

革手袋

手頃なものをホームセンターで購入。

全て、WARN、栄光社、ARBなどのセット一式や専用品でビシッと決められたら一番いいけれど、値段も高くつく。

まぁ、ウインチをろくに使ったこともない状態なので、とりあえず最低ラインで揃えて使ってみたり、他の人のアドバイスも聞きながら充実させていこうと思う。

まとめ


というわけで、長いクロカンの歴史で培われたノウハウは他にも沢山あるのだろうけれど、ひとまずこんなところで満足。

知識も大切だけれど、何事も実践・経験が大切なはず。

今までは、BRONCOやRVパークのスノーチャレンジに行っても、必死にスタックしたりしないように走ろうとしていた。

でも、それじゃ、いざとなれば助けてもらえる環境で、セルフレスキューを体験できる折角の機会が勿体ない。

ランクル70で雪の万座ハイウェイ

そういう時こそ、自力脱出、レスキューの経験を積んで、今の自分とランクル70 のコンビで出来ること、出来ないこと、を認識しておくべきなんだろうなぁ。

とりあえずはせっかくの冬なので、雪のあるところで試してみようと思う。

そしていつかは、困っている人も助けられるようになるといいなぁ・・・

ランクル70がFJクルーザーをレスキュー

「スタックからの脱出方法を勉強してみた。」への8件のフィードバック

  1. 2年前に長野の町道高嶺線を走りに行った時は入り口が半分塞がってました。
    それでも入っていったのですが、しばらく走ると倒木が…。
    車にノコギリを積んでいたので倒木を無くして進んでいたのですが、また倒木。
    直径30センチはあったかな。
    倒木にストラップかけてウインチで路肩に寄せました。

    結局、道具が無ければ諦めてUターンするしかなかった訳です。
    折り畳み式のノコギリでも積んでおくといいかもしれません。

    あと、スミッティビルドの樹脂製サンドラダーも積んであります。
    スコップ代わりにも使えますし、砂地では一番使えるかと。

    1. むぅさん
      こんにちは。
      道具があるとないとでは大違いですね。
      最近は特に痛感してるので、徐々に揃えていきたいです。

  2. こんばんは!

    私の場合、ロッキーの時から1mくらいの合板を、数枚積んでいました。

    雪の時や段差を超える時に重宝しますし何より安いです。

    毛布も有効に使えますのでいらない毛布を入れておくと防寒にも使えて一石二鳥です。

    1. お風呂道さん
      やっぱりちゃんと備えてるんですねぇ。
      今回はいい機会なので、見習って備えたいと思います。

  3. シャックルを使用しますがキッチリと締めると回らなくなる場合が有りますので、締め切りから半回転位戻すと良いです。(玉掛けでもやりますが)
    チェーンは岩などをアンカーにするときにも使用できるそうです。
    タイヤのエアを下げるとビードが落ちたり異物を噛み込んだりしますので時々見た方が良いと思います。
    アイテムの参考に出来そうなのはラリー車両かJAF車両と考えられます。サンドラダーもまるで丸めた縄梯子みたいなのを昔見ました。

    可能性ですが。アンカーも抜ける事が有りますし、ワイヤーも切れる事が有るのでケガにご注意ください。

    1. hzj70mnuさん
      コメントありがとうございます。
      シャックル、力の限り締めるとこでしたので、気をつけます。
      まずは注意しながらも色々経験してみようと思います。

  4. こんにちは。
    スペアタイヤを埋める場合はガッチリ埋めないと駄目なようです。
    スペアタイヤを埋めるだけの穴を掘るとなるとそれだけで死にそうなほど疲れると
    思います。でも脱出できないと本当に死ぬ可能性もあるので頑張って穴掘るしかないですね。
    ウインチ車では最終手段でしょうか?笑

    英語サイトですが写真でなんとなく意味わかると思います。
    https://www.whichcar.com.au/gear/recovery/recovery-guide-spare-tyre-ground-anchor

    1. HUNKさん
      ありがとうございます。そーなるとやはりスコップがないと辛いですねぇ。
      色々な場所で応用しようと思うと、スコップよりクワが主流になるというのもわかる気がしますね。

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