まえがき
群馬パーツショー(GPS)2019で愛車再販ランクル70 バンのために衝動的に購入したヒッチキャリア&ヒッチレシーバー。
早速、持ち帰って装着してみたのだが・・・思わぬ展開が待っていた。
ヒッチレシーバー装着
まずはランクル70 納車後間もなく購入してノーマルステップと交換していた分割ステップとセットで購入した開かずのピントルフックを外し、ヒッチレシーバーを装着。
最初は純正ステップの時より一段低いピントルフックと同じボルトの位置に取り付けてみた。
しかし、これではヒッチキャリアの固定用ヒッチピンが、分割ステップに干渉して差し込めない。
少し上の分割ステップじゃない時の純正位置に取り付けたいところだけれど、そうすると今度は積み荷でナンバーが見えなくなりそう。
なので、当面はヒッチキャリア装着時にステップ半分外して対応する。かなり面倒だけど仕方ない。
さて、あとはヒッチキャリアのステーを差すだけ。
後日、ステップとの干渉を解消しつつ、少しでもナンバーが隠れにくいようするためにヒッチレシーバーを下方にオフセットするタイプに交換した。
CURT 正規品 トヨタ ランクル70 ランクル76 1984-2004年・2014-2015年 ヒッチメンバー 2インチ角 メーカー保証付
ヒッチキャリア準備
続いて、ヒッチキャリア装着。
左右半分に折り曲げられるというアピールポイントを「イイネ!」と思い買ったものの、プラスチックの緩み止め付きナットでステーを取り付けるので、頻繁に折り曲げることは想定しがたい。
折り畳まず1.5mほどの横幅で保管することは覚悟して組み立てた上で、いよいよランクル70に取り付けたヒッチレシーバーにステーを差す・・・がっ!
群馬パーツショーの会場で展示品で試したときは、スッと入ってむしろ少し緩々なのがどうか、という感じだったのに、今度は入らない?!
ナニコレ!!とビビる。
しかし、冷静に見ると、角の部分が少し干渉して差し込めないだけで、全体としての寸法がおかしいわけではない様子。
スチールのステーが綺麗に黒く塗装されているので、手を加えたくはないけれど、ここは仕方ない、ディスクグラインダーで角の部分を薄く削る。
4つの角のうち、3つを少し削るとうまくヒッチレシーバーの穴に入り、固定可能になった。
削ったところは錆びないよう注意が必要になってしまった。
気休め程度に、シャシーコートクリアを吹き付けておく。
それでも脱着がスムーズにいかないので、穴の中にはシリコンスプレーを吹いておく。
ヒッチキャリア装着
ひと悶着あったものの、なんとかヒッチキャリア装着にたどり着いた。
これでどうじゃ、と差し込んで離れて愛車再販ランクル70の雄姿を眺めてみる。(この時点では取り敢えずヒッチレシーバーを上段に設置しているので、実際はもう少し低い位置になります)
これはかなり積載力がアップした感じ。
もう一つのこのキャリアの売りである、車両側への折り畳みも試す。
幅の薄いピックアップ純正タイヤにしていたのが功を奏して、ギリギリのところで折り畳み&固定に成功。
といっても、この状態ではナンバーが完全に隠れるので、公道走行は不可能。
まぁ、それは仕方ない。
しかし・・・
全然ダメじゃん!
ここにきてヒッチキャリア装着に関しての事前検討不足が露呈。
ネットでヒッチキャリアの適法性関連の情報を調べると出てくる装着条件の一つ、「灯火類を隠さない」が完全にOUT!
再販ランクル70のチャームポイントの一つであるリアバンパーに装着されたブレーキランプ、ウインカーがヒッチキャリアで完全に隠れてしまう。
隠れてしまった、というミステイクな感じを遥かに通り越して隠してるみたいになってる・・・
おまけで上方向に折りたためば、ナンバープレートもバッチリ隠してしまう。
こりゃ違法・違反間違いなし!
検挙されても「なんもいえねぇ」と嘆くよりほかない。
今までランクル70オーナーからヒッチキャリアに関するネタが寄せられていなかったのはこれが理由?
そして、はたと気が付いた、ヒッチキャリアは違法・違反なのか(適法性)の確認の必要性。
ヒッチキャリアは違法・違反?
立派なお題目を掲げたものの、正直、なけなしの4万円を投資したヒッチキャリアが違法・違反と断じられて使えないのは芳しくない。みんな渡ってる赤信号だとしたら、敢えて寝た子を起こすような真似はせず通り過ぎたい。
しかし、ブログで書いておきながら、うっかり検挙されるとか、これを見て装着した人が捕まっちゃうなんてもってのほか。
使い続けるためには、何とか自分の身勝手な衝動買いを正当化しなければならない。
そこで遅ればせながらヒッチキャリアの適法性を裏付けるため情報収集のためネットで色々検索。
そうしたところ、ヒッチキャリアを適法なものとして使うためには以下の点を確認・検討すべきこと(論点)が分かった。
論点1 ヒッチキャリアは 指定部品か否か
▶「自動車部品を装着した場合の構造変更等検査時における取扱いについて(依命通達)」の細部取り扱いについて
論点2 全長の1.1m以内に収まらないとダメか
▶道路交通法施行令第22条第3項イ
論点3 ナンバー、灯火類が隠れないか、車両全幅からはみ出ていないか
▶道路交通法第55条2項
【以下を読むに際しての注意事項】
①ランクル70は「貨物車」で、以下はそれを前提としています。SUVなど、形状は似ていても、「乗用車」が大半で、法令上異なる取り扱いになる場合があります。
②以下、自分なりの結論を書きますが、ネット上の議論を見ても、一般的見解の確立していない微妙な問題です。当方の見解が誤りで、これを信じたが故に刑事罰等を受けたと言われても当方は一切責任を負いません。当方がリスクを自分が負うことを覚悟(自己責任)した上で、自分の車を使用するために調べた内容を参考として記載するものであることをご理解下さい。自分の行為によって他者に損害を与えた場合に、その賠償をすることも含めて自己責任です。「自己責任」について学ぶ場合→コチラ
※上記がしっかり理解できない方は、読み進まず→コチラへ
論点1 ヒッチキャリアは 指定部品か否か
ヒッチキャリアについての色々な議論を見ていて、結局たどり着く最も根本的な疑問が、ヒッチキャリアは指定部品か否か。
ここをはっきりさせないままでは、なんの結論も導き出せない。
では、車検に関する記事で過去にも何度か話題にしてきた「指定部品」とは何かをおさらい。
(引用文は必要部のみ抜粋している場合があります)
指定部品(構造装置の軽微な変更時)の取扱いについて(抄)
自動車部品の装着については、国民負担軽減を図る観点から、自動車の構造・装置の軽微な変更時における諸手続きについて、安全及び公害の防止上、支障が生じない範囲において、構造変更検査の簡素化の措置が講じられたものです。
使用過程車における自動車部品装着時の条件
①自動車部品を装着したときの寸法(長さ、幅及び高さ)及び車両重量が一定範囲である場合
②指定する自動車部品(以下指定部品という)を溶接又はリベット以外の取付け方法により装着した場合
1.(略)
2.指定する自動車部品(以下「指定部品」という。)を溶接またはリベット以外の取り付け方法により装着した場合が該当し、この場合には、自動車検査証記載事項変更及び構造変更検査が不要となります。 なお、これらの軽微な変更となる自動車部品を装着した状態においても、道路運送車両の保安基準に適合していることが必要であり、これはユーザーの責任において管理していただくこととなります。また、新規検査又は予備検査においては、検査時の状態で自動車の諸元を決定する従来どおりの取扱いとなります。
◎指定部品とは、次の(依命通達)により取扱いされております。
※それ以外は全て指定外部品となります。
「自動車部品を装着した場合の構造変更等検査時における取扱いについて(依命通達)」の細部取り扱いについて(抄)
国自技第 6 号
平成 15 年 4 月 8 日
Ⅰ アクセサリー等の自動車部品
1. 車体まわり関係
(1) 空気流を調整等するための自動車部品(略)
(2) 手荷物等を運搬するための部品
ルーフ・ラック、エンクローズド・ラゲージ・キャリア、バイク/スキー・ラック、その他ラック類
注:道路交通法第 55 条第 2 項に定める積載の方法に抵触する蓋然性の高いものは、自動車の構造装置として記載事項の変更申請があった場合でも、これを認めないものとする。
(3) その他の部品(略)
(乗車又は積載の方法) 道路交通法第55条第2項
車両の運転者は,運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ,後写鏡の効用を失わせ,車両の安定を害し,又は外部から当該車両の方向指示器,車両の番号標,制動灯,尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ,又は積載して車両を運転してはならない。
これについて陸運局に確認を試みた先人の貴重なブログ記事などを拝見すると、指定部品であるという情報が多い。
参考になるブログ
※自分が考える参考としたものに過ぎず、これを根拠(=責任転嫁)とするわけではありません。
〇取り外し容易→指定部品
〇ルーフキャリアと同じ扱い→指定部品
〇直ぐに取り外しが可能→指定部品
〇ルールの整理
※参照先HPがなくなりました。
上記ブログ等も参考にしつつ、自分なりに考えると「これ」と明確には言えないものの、手で容易に取り外すことが可能な取付方法であり、少なくとも「その他ラック類」で読める気がする。
商品名からすれば、「キャリア」ではないとも言い切れない。
というわけで、自分としては「指定部品」に該当すると理解する。
※私がどう理解しようと、有権解釈がどうなるかは、別の話ですので、誤解なきよう。
論点2 全長の1.1倍以内に収まらないとダメか
これについては、1が決まればはっきりする。
要するに、ヒッチキャリアが「指定部品」ならば、この制限は「積載物」に関する制限なのでひとまず適用がなくなり、ヒッチキャリアが「積載物」扱いならば適用される。
※これも上記ブログを参考に、当方としてそう理解したものです。
道路交通法施行令第22条第3項イ
第22条 自動車の法第57条第1項の政令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法の制限は、次の各号に定めるところによる。
当方としては上述のとおりヒッチキャリアは「指定部品」と考えるので、結果として、ヒッチキャリアを装着した際の、ヒッチキャリアを含めた車の先端からの長さに関してはこの制限を受けないことになる。
念のため言うと、無条件に長くていいのか、という点は常識の範囲で考えるべきもの。
または、他に何らかの制限(オーバーハング?)があるかもしれないが、それはここでは省略。
なお、数値で明確にできないからこそ「常識」という言葉を使っているので、常識の数値を求められても答えようがない。各人の思う常識に従って行動し、捕まって裁判にかけれられたら判決で明らかになるでしょう。
そして、ヒッチキャリアが「指定部品」ならば、もはや車体の一部なので、積載物のはみ出しはヒッチキャリアからのはみ出しに適用されるはず。(福信工業さんの見解に便乗)
ヒッチキャリアを構造変更なしで装着している状態は、事実上「自動車の長さ」がヒッチキャリア端部まで伸びたと考えることに若干の違和感を感じないではないけれど・・・
そう考えないと、ヒッチキャリアがあるかどうかは関係なく、積載物は全長×1.1までにおさめなければならなくなる。
上で紹介したブログの中で警察に確認した際、「その必要がない」ことを確認したという記述もあるし、
ここからは完全にどこにも書いてない個人的理解だけれど、そもそも積載するための部品でありヒッチキャリアを「指定部品」と認めたのならば、その一部にしか積載できないなどというのは、常識に照らして考えるとおかしい。
だから、「ヒッチキャリア=指品部品」が崩れない限りは、少なくとも荷物をヒッチキャリア一杯に積載していても取り締まられて処罰されることは、現実にはまずないと理解する。
(上記私見と異なる見解のコメントもいただいたのでご紹介。投稿者などはコメント欄参照)
キャリアは合法ですが、積載物(荷物)は全長からはみ出したら赤旗、夜間は提灯は必要ですし、10%越えはそもそも警察に申請しないと運行できません。なのでキャリア自体の装着は良いけど、キャリアの後方ギリギリまで荷物を載せたらたぶん10%超えてしまうので違法です。お気を付け下さい。
2020年10月にカーメイトが新発売したヒッチキャリアのプレスリリースがこの問題の結論を示したか?
論点3 ナンバー、灯火類を隠していないか、車両全幅からはみ出ていないか
(乗車又は積載の方法) 道路交通法第55条第2項
車両の運転者は,運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ,後写鏡の効用を失わせ,車両の安定を害し,又は外部から当該車両の方向指示器,車両の番号標,制動灯,尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ,又は積載して車両を運転してはならない。
これはルールどうこうの前に、素人考えでも隠れてちゃマズイことは分かる。
にも拘わらず、今回のヒッチキャリアテスト装着の結果、リアバンパーの灯火類は積み荷があれば完全に隠れてしまうことが確認できた。
ボディにあるダミーテールを活かしたとしても、背面タイヤによる右側テールランプの視認性を問題として、車検上アウトとする見解がある(地元TOYOTAディーラー)以上、それはダメ。
※背面タイヤを外したり、背面レス仕様に構造変更している場合は不明
それならば、ヒッチキャリアに車幅灯、ブレーキランプ、ウインカーを追加で設置するほかない。
なお、ヒッチキャリアの幅はしっかり全幅の範囲内に収まっているので問題なし。
まとめ
上記を踏まえて、愛車再販ランクル70にヒッチキャリアを装着する際の自分なりのルールの理解とそれを踏まえた必要な対応(あくまで私的見解)は以下のとおり。
正直こんな微妙なものなら、ルーフキャリア&ルーフラックにしときゃ良かったと思わないでもないが・・・
それを言っちゃあお終いだからねぇ・・・
■あくまで個人的見解だけど・・・
・ヒッチキャリアは指定部品と理解。(全長1.1倍ルールは無関係)
・ナンバープレートが隠れるので、上方向に折り畳んでの公道走行は不可(正規のナンバー移設をすれば可能だが、そこまでしない)。
・灯火類(車幅灯、ブレーキランプ、ウインカー、後部反射板)が隠れてしまうので、ヒッチキャリアに追加装備する。
こんな悩ましい思いをせずに確実かつお手軽に積載力をUPさせるのならば、ルーフキャリア&ルーフバッグが断然オススメ。もちろん、本格的リアラダーなどつける必要もなく、脚立があれば十分。
ナンバーを移動しました。
もちろん陸運事務所公認のデリカスターワゴンです。
都合よくスターワゴンはウインカー等が上の方にあるのでヒッチキャリアに60センチ高の荷物を積んでも隠れません。
ナンバー移動、良いですね!あと少し上ならいいのに、と思います。ナンバー灯も移設とか、微妙に手がかかるんですよね。
デリカもヒッチキャリア似合いそうですね。
キャリアは合法ですが、積載物(荷物)は全長からはみ出したら赤旗、夜間は提灯は必要ですし、10%越えはそもそも警察に申請しないと運行できません。なのでキャリア自体の装着は良いけど、キャリアの後方ギリギリまで荷物を載せたらたぶん10%超えてしまうので違法です。お気を付け下さい。
コメントありがとうございます。
そういう判断もあり得ると思います。
記事に書いたのはあくまで私見ですので、そのようなご意見もあることを知つておく事はとても重要だと思います。(記事中でも本コメントを紹介しておきます。)
たぶん、を取るために警察、陸運局に行くのが間違いないですが、先人によると確証を得られなそうなのが難しいところですね。
多くの人が質問に訪れる状況になり、明確な見解が示されるといいですが。
警察に行って確認取りました。
ヒッチキャリアは指定部品であり、その上に荷物を置く際も、特に赤旗や届け出等は必要ありません。
注意すべきは、ナンバープレートや灯火類が荷物で隠れない事と、キャリアの幅からはみ出ない事です。
これらに違反すると切符を切られます。
また同様に、折り畳んだ状態でナンバーが網目に隠れても駄目です。
以上参考までに。
※ 一部、管理者側で表現を修正しています。
※追記 それと、指定部品なので、キャリア・積載物共に、10%ルールは当てはまりません。
要は、ナンバーや灯火類が隠れず、ヒッチキャリア内に収まればいいのです。
確認済みさん
貴重な情報ありがとうございます。
当研究所と同見解で大変ありがたいです。
誰もが公式見解が確認できるようになることを願うばかりです。
そうなってくれれば、ようやく個人的見解、自己責任の世界から脱することができますので。
後部反射板の事が記載されてません。
このキャリアに反射板を付けないとキャリア自体で隠されている気がします。
ご指摘ありがとうございます。灯火類に含まれるので、実践編でも取付対応していますが、まとめのところの灯火類のところで列挙から漏れていたので追記しました。