はじめに
ランクル70なんて、最近知ったとか、詳しくは知らない、という人からすると、丸目ランクル70と再販ランクル70の違いなんて見た目の違いしかわからないはず。
そんなランクル70初心者向けに、おおまかな違いの理解を助ける程度の簡単な比較をしてみた。
(「お前、本格的比較をする能力がないだけじゃないか」という至極まっとうな指摘をしたくなるような方は→コチラ)
丸目ランクル70と一口にいっても、その歴史の長さから当然の如く多くのバリュエーションがあって、全部を徹底比較して研究したければ、専門家(マニア)が書いた本を読むのが一番。
この記事は、そのレベルに行く前に簡単に主な違いを知りたい、という(自分のような)人向け。
再販ランクル70バンは丸目最後のランクル70の中でもLX(最上級グレードはZX)に近いと言われる事が多いようなので、平成13年8月カタログ掲載の最終モデルの中のLX(セミロング バン KG-HZJ76V)と比較してみる。
見た目比較
本体価格比較
再販ランクル70
(GRJ76K)
|
・3,333,333円
(消費税8%込 3,500,000円) |
丸目ランクル70
(最終LX)
|
・2,624,000円
(消費税5%込 2,755,200円) |
カタログ時点の2001年(平成13年)8月の自動車(全国)の消費者物価指数(99.4)と再販開始時の2014年8月の同物価指数(99.5)はほとんど同じにもかかわらず、ランクル70の物価は大幅上昇。
税込75万円の差は大きい。
まぁ、再販(バン)の3並びは30周年にちなんでいるみたいでいいけど・・・
エンジン&燃料比較
再販ランクル70
(GRJ76K) |
4.0L V6 1GR-FEエンジン
(ハイオクガソリン) |
丸目ランクル70
(最終LX) |
4.2L 1HZ ディーゼルエンジン(軽油) |
色々な記事や、コメントを見聞きしていても双方メリット・デメリットあるので、どちらが良い悪いではない。
でも、これが理由で再販を買わなかった人が相当数いるのは事実といって良さそう。
燃費比較
再販ランクル70(GRJ76K) | 6.6km/L(JC08モード) |
丸目ランクル70(最終LX) | 14.1km/L (60km/h 定地走行) |
計測方法の違いはあるものの、やはり丸目の方が燃費は良いのだろう。
とはいっても、ディーゼル規制で登録できない地域では、DPF装着など、燃費差どころではない対策費が出てしまう。
ちなみに、先ほど車体価額のところで物価指数をみたついでに、ガソリンの物価指数を見てみたところ、2001年(平成13年)8月のガソリン(全国)の消費者物価指数(76.7)に対して再販開始時の2014年8月の同物価指数(123.4)と驚異のUP。
昨年11月には91.8まで低下していたけれど、最近はまた・・・
軽油からハイオクへのUP分もあるのだから、「エコじゃないカー」代表格の再販ランクル70にとっては厳しい時代だ。
ナンバー比較
再販ランクル70(GRJ76K) | 1ナンバー(普通貨物) |
丸目ランクル70(最終LX) | 4ナンバー(小型貨物)全幅1690mm<1700mm かつディーゼル |
4ナンバーのメリットは維持費の安さ。
・高速料金が安い→普通車区分(再販の1ナンバーは中型車区分)
・自賠責保険が安い→17,270円(12ヶ月)(再販の1ナンバーは24,040円)
・任意保険も1ナンバーより安いらしい。
ガソリン車の場合は4ナンバーになるにはエンジンが2000cc以下かつ全幅<1700mmでないとダメなので、再販ランクル70はエンジンをディーゼルか2000cc以下のガソリンエンジンに換装した上で、エラを削らないといけない(ナロー化しただけでは79と同じ1770mm)ので事実上不可能。
主要オプション料金比較
再販ランクル70
(GRJ76K) |
前後デフロック:50,000円
ウインチ:173,000円 |
丸目ランクル70
(最終LX) |
前後デフロック:149,000円(LSDは30,000円)
ウインチ:203,000円 |
デフロックは再販ランクル70が随分とお安い印象。
一方、丸目ランクル70のLSDもお安い。
再販車にはLSD(幻覚剤じゃないですよ)の選択肢がない分、デフロックを装備しやすくしたとか(テキトーな推測)?
↓は私のように何にも知らない人がいた場合のための参考情報。
正直なところ、デフロックとLSDの違い、よく分ってなかったけど、デフロックがアナログに完全にデフをロックするのに対して、LSDはハイテクな感じで状況に応じてデフを制御するイメージか。
【LSDとは(出典 http://car-moby.jp/78069。一部編集あり。)】
LSDは「Limited Slip Defferential Gear」の頭文字を取った略称で、日本語では「差動制限装置」。
カーブで内側の車輪と外側の車輪の軌跡の長さに差(内輪差)が発生。
外側の方が長い距離を回るため、外側の車輪の方が回転数が多くなる。
この回転数の差を吸収するために「デフ」と呼ばれる差動ギアが全車もれなく付いている。
このデフの働きによって内側よりも回転数の多い外側の駆動輪に駆動力を多く配分してスムーズにカーブが曲がれるようになっているが、コーナリングや悪路走行時、片側の駆動輪が宙に浮いてしまうことがある。
このとき、デフの働きにより接地している方の駆動輪よりも宙に浮いている方の駆動輪に駆動力が配分されてしまうという現象が起き、浮いた駆動輪が空転して地に付いた駆動輪が回転せず、コーナリング速度の低下や悪路ではスタックするなどの問題を引き起こす。
この現象を改善するため、デフの動作を制限して(作動制限力)、駆動輪の空転を抑えるために装備されるのが、リミテッドスリップデフ(LSD)。
以前、デフロックを装備しない車を購入して、LSDを後付けしたいなんてコメントもあった気がするけれど、そういうこともできるのかな?
それはそうと、ふと以前乗っていた80にデフロックがなかったなぁ、と思ったのだけれど、乗っていたVX-LTDはLSDが標準装備だったらしい・・・
そんなことも知らずに乗っていたとは、ゴメン、ハチマル。
兄弟車比較
再販ランクル70
(GRJ76K) |
ピックアップ(4ドア GRJ79K) |
丸目ランクル70
(最終LX) |
ZX(最上級グレード)・・・2ドアショートボディモデルあり
LX 2ドアショートボディモデル |
丸目のミドルやショートも通の皆さんからは愛されているようだけれど、自分の好み的には断然、再販ランクル70のピックアップがインパクト大。
カッコイイんだよなぁ~。
その他主な装備・機能等比較
まとめ
あらためて比較すると、進化と後退がマダラ模様になって違いとして現れていて、面白い。
最終丸目時代にクラッチスタートキャンセルなんてのがあったとか、フェンダーミラーが選べたなんて全く知らなかった。
自分的には、なんといっても再販にもナロー仕様が欲しかった。
ここまでに上げたのはカタログをめくって素人でも気がつくような違いだけ。
さらに前後板バネだったより前のモデルになると、さらにさらに多くの違いがあるはず。
奥深いランクル70の世界、より深く調べてみるもよし、まぁ、そんな程度でいいや、と思うもよし。
少しでもお役に立てたら幸いです。
※本記事は、ランクル70購入記に掲載していた記事をコメント内容等を踏まえて再編集したものです。
↑矢印さん
コメントありがとうございます。昔の燃費はカタログ値よりは大分悪かったんでしょうね。それでも再販車よりよくて、軽油、魅了的ですね。
11万キロだったんですね~、まだ元気に走り回ってるでしょうね~
管理人さん、みなさん、こんばんは
カタログ画像の掲載ありがとうございます。
取り敢えず取り置きしておりましたカタログです。25年物と17年物です。
当時(17年前)の見積もりを確認したところ、マニアルハブを選択した場合¥12000円のプライスダウンになっておりました。
高速道路等の渋滞を考え元祖77はATを選びました。手放す直前(11万km走行)の燃費は、一般道約7km/L、高速道約11km/Lでした。再販70の燃費は一般道で4.5~5km/
L位です。私の燃費走行は得意ではないかも・・・
何かの参考になれば幸いです。
しばさん
そういうことですか。ピックアップと最新クリーンディーゼルプラドなら、いいバランスの2台持ちですね~
まるさん
切り替えレバー、そう言っていただいたら、突然、いいものに思えてきました。確かにボタンよりアナログ感満載で。ありがとうございます。また好きなポイントに気づけました。
まるさん、返信ありがとうございます。
40万キロ!超ですか!
凄いし羨ましいです。あたりの個体かメンテの賜物でしょうか?
数は減ったとはいえ60や40も現役しているのをこちらでも(群馬)見かけますので、まだまだ負けていられませんね。
フレームの補修は土地柄とお見受けしますけれど、大切に乗られているのが伝わります。
融雪剤や潮害も適切な対応であれば長く良好なコンデションを維持できると伺った事が有ります。
クルマのみならず寒い季節なので体調にも注意していきたいです。
79 のオーストラリア化がどうも妻のスイッチを入れてしまったみたいで,プラドを購入する羽目に.それならば,ディーゼルでという話になった次第.ディーゼルなのに,LTタイヤじゃないんですよね.
hzj70mnuさん
こんばんは初めまして。
前にも書き込みましたが、こちらは2000年式48万kmです。17年目になります。
かなり走ってはいますが、年式でいえばもっと古い前リーフの70やプラド、80などがまだ沢山走っていますから、まだまだ頑張らねばと思っております。
セルモーターの件、私のは40万km超までは大丈夫でしたが、心配なので大枚はたいて交換済です。個体差があるのでしょうか。
今後の一番の心配の種は錆だったりします(当方雪国ですので。フレームまで補修歴あります)。
管理人さま
私は逆に、あのレバーの切り替えがいかにもヨンクらしくて羨ましいと思っていますよ。
しばさん
こんばんは。一体どういうことですか?
できれば詳しく教えて下さい。
hzj70mnuさん
コメントありがとうございます。とても勉強になります。LSDがデフロックとして売られていたとか、デフロックとLSDが併存可能とか、全然知らなかった事ばっかりです。そもそもLSDが分からずにハチマルに乗ってたんですからね~、我ながらビックリです。でも、今時、フレックスでオシャレ四駆として買ってる人なんて、私みたいなレベルの人も居ると思うんですよね。
そういう人でも少しずつ色々な事を知っていけるような場になればいいと思ってますので、今後ともよろしくお願いします。
まるさん
コメントありがとうございます。色々違いがありますが、カタログを見ていてマニュアルフリーハブにすると、マイナス何万円とか、手動ミラーマイナス何万円というオプションがありますが、再販では全くなかったですね。H2-H4切り替えがボタンというのは良いですね、どうもあのレバー操作はドキドキします。ど素人だからでしょうけど・・・
管理人さん
実は年明け早々、ランクル2台持ちになりました。
連投、失礼します。
大満足◯さん、こんにちは。
こちらは13万キロに満たない平成10年式です。
HZJ81V-RCMNSの二台持ちの都合で走行距離がこんなものです。
しかし、昨年の10月に1HZの持病たるセルモーターオーバーランに遭遇しました。
個体差にもよるのですが、10万キロ超でキッチリと出る様です。
80ではリコールで(同じ物ですが)事なきを得ましたが、もしも、記録簿で10万越えで手を打ってなければ電装屋さんでチェックするのをお勧めします。
今回、前兆が一年前から出てました。
夜中の2時にコンビニの駐車場で発生すると帰れないので困ります。
それでも、10mmと12mmのスパナに絶縁テープを用意していましたので、エンジンが掛かった後にセルモーターへの太い配線だけ外して自走、無事に帰宅しました。
こんにちは。長文で失礼します。
まるさん、76の調子が良さそうでなによりと思います。
板バネ幌車乗りです。お互い、永く乗りましょう。
サンルーフ標準装備と言えば80GXも…。
STDが廃止されて観音扉GXが登場で標準は無くなりましたが。…乗っていたので。
管理人さん、95プラドの選択自体は間違っていないと思います。
つまらない拘りで恐縮なんですが。デフロックは「差動解除装置」だと考えています、「デファレンシャル・キャンセラー」ですね。
凍結した登坂路だとオープンデフでも両輪同時に(状況で)空転しますから「LSD」も「差動制限装置」と云うよりも、「差動同期構造」の方が良いかなと…。
昭和の頃ですがLSDはノンスリップデフやデフロックの名前でも販売されていました。当時8万とか9万で。
今は、アクセルオンでロックしアクセルオフでオープンにするのが販売されていますし、恐らく実際の使用に適した物かと思っています。
LSDの構造の一例ですが、デフギアの回転力=推進力で機械的に湿式多板クラッチを圧着させて作動制限させています。
又、メガクルーザーのセンターデフにも採用されたトルセン式(別名トリプルD)は純機械的にトルクフロー(空転)を発生させないデフです。
かなり以前から在ってランクル40/60が現役の頃にも販売されていました。
LSDの構造とデフロックの構造は別物ですので同時に存在は可能です。(実は二代目パジェロに同時装着が可能でした)
それはデフの内部にLSDが組み込まれ、デフの外側にデフロックが組み込まれる為です。
そして電子制御じゃ無いんですね。
現代の電子デバイスは高度にブレーキの制禦でアンチロックやトラクションコントロールを「自動で」実行できます。
四輪駆動やデフロックより、簡単で安全にドライヴできます。
でも、個人的に70の方が良いです。
HZJ76乗りのまるです。
丸目の記事、なんかホッとしますね。取り上げていただきありがとうございます。
現行と比べて、丸目が異なる点として、エンジンやフロントセクション、グレード等バリエーションの違いの他にざっと思いつくのは、
・エアバッグ、ABSの設定がなかった
・フェンダーミラーが選択できた
・AT車が選択できた
・マニュアルフリーハブが選択できた
・マニュアルウィンドウが選択できた
・LXのリアブレーキがドラムだった
・燃料タンクが90Lだった
・H2-H4の切り替えがボタン式だった
・フロントリーフまでは、電装が24Vだった
・なんとZXではサンルーフが標準装備だった(笑)
こんなところでしょうか。