まえおき
ランクル70の下回りの錆びに関して質問をもらい、自分の車を確認した際、偶然に発見してたのが運転席側リーフサスペンションのスプリングピン部分(フロント側のラダーフレームとの接合部)ブッシュの崩壊。
まるで息子が正月の伊達巻の食べ残しでも突っ込んだのかと思うような状態。
以前、リア側のシャックルブッシュが同様にボロボロに崩壊したため苦行の末にDIYで純正のゴムブッシュに交換していた。
しかし、その時点でスプリングピン側は問題なかったためTJMゴールドサスペンションキット純正の黄色いウレタンブッシュ(トヨタ純正リーフはゴムブッシュ)そのままにしていた。
それから約2年少々経過して、スプリングピン側もほぼ同じ状態になってしまった感じ。
(錆の質問をもらった70さん、発見のきっかけをいただき、ありがとうございます!)
ブッシュ崩壊の原因は不明。
ウレタンブッシュは加水分解してこのように崩壊することがあるようだが、同じサスペンションを使用している人が同じようにはなった話は聞いた事が無い。
そうなると、自分がメンテナンスのつもりでモリブデン入りのグリーススプレーを吹いてしまい、ブッシュ崩壊の原因となったのではないかと思われる。
リーフサスペンションは重量もあり、素人が手出しするには危険っぽいので、馴染みのショップでもあれば頼みたいところ。
しかし、ごくたまにしか外注しないケチな自分にはそんなお店もなく、ディーラーは社外品の世話はしてくれない。
なので仕方なく、が半分、何でもやってみたい好奇心半分で、DIYでの交換を決断。
以下はDIYでのブッシュ交換作業の手順。
ジャッキアップ
前日からネットで調べて作業フローのイメトレをしておき、作業開始は午前9時。
今回は過去経験のない両側ジャッキアップで作業を進める。
前日、ブッシュの状態確認のため試したところ、片側ずつのジャッキアップでも交換出来そうだった。
しかし、ホーシング(左右のタイヤを繋ぐ棒)が傾くとリーフサスペンションも傾いたりして作業しにくそうなので、両側上げた方が良さそうと判断。
また、ショックアブソーバーを外したりUボルト(ホーシングにリーフサスペンションを固定している大きなU字型のボルト)を外す作業の効率も考え、タイヤも外し、なるべく高めにジャッキアップすることにした。
まずは前輪の前に輪留めをセット。
デフ玉(ホーシング中央付近にあるデフギヤの入っているボール状の部分)をフロアジャッキでジャッキアップ。
デフ玉は中央にあるわけではなく、運転席側に寄っているため、助手席側が低くなる。
最初はジャッキスタンドの高低差がある状態でセットした後、助手席側のアクスルシャフト(ホーシングの一部)をジャッキアップしてジャッキスタンドを伸ばして高さを揃えた。
なお、ジャッキスタンドだけでは十分な高さを確保できなかったので、チリ産超頑丈ブロック(色がレンガみたいだけど、別物)上に置いている。
ちなみに、助手席側のアクスルシャフトを必要な高さまで上げるにはフロアジャッキの高さが足りなくなったので、端材を噛ませる必要があった。
そして作業性を高めるため、タイヤを外しておく。(ジャッキアップ前にボルトは少し緩めておく。)
外したタイヤは車体落下に備えてトランスファーあたりの下に二段重ねで置いておいた。
さらに、リア側の落下防止として、バンパー裏の鉄の部分を保持するようにチリ産ブロックを積み上げておいた。(微調整は板の端材)
デフ玉の下にも念のため純正ダルマジャッキをセット。
フロアジャッキはリーフを持ち上げたりする際に使いたいのでここは面倒だがダルマを活用。
必要性ないかもしれないが、念のため、フレームとリジッドアクスルをラチェットベルトで繋いでおいた。
続いて、ショックアブソーバーを取り外す。
上下2か所のボルトを外すだけだが、下側をピン状の部分から外す際、ブレーキワイヤー側に押し出すため、ワイヤーとの干渉でちょっとビビるけれど、エイっと外す。
2020年5月に装着した際は真紅のKoniカラーが綺麗だったのに、ずいぶん汚れと傷がついたもんだ・・・(本当は綺麗にして戻したかったけど、作業が思いのほか長時間となったため、このまま戻すことに)
これで作業準備が完了。
広々したスペースができた半面、タフコートにこびりついた汚い汚れがよく見えてしまってお恥ずかしい限り。
作業後にスチームクリーナーで少し掃除しようかなと思ったのだが、それも時間がなくなりインオペ。
運転席側スプリングピンのブッシュ交換
ここから本題のブッシュ交換作業に入る。
まずはフロアジャッキを、軽くリーフを支えながら、高さの微調整ができて、かつ、Uボルトを外す邪魔にならないプレートの後方にセット。
続いてUボルトを外す。
Uボルトの脱着作業は、ボルトナットの位置がプレート裏側で低いし、プレートとリーフのセンターボルト位置合わせしながらボルトを締めなければならないなど、地味に面倒。
できれば無しで済ましたいところだが、前日試した際、これをしないとスプリングピンの位置がフレームから十分に下がらず、ブッシュの交換できなかったので、諦めて実施。
まずはプレート裏側のナット4個を外す。
愛車は以前、Uボルトの出っぱり部分長かったちめにオフロード走行で折れたり曲がったりして全てDIY交換していたので、固着はなく比較的簡単に外せたが、新車から一度も外していない場合など、かなり固着してるケースもあるらしい。
この時点でリーフはフロアジャッキがなければ前後2箇所でラダーフレームに固定されているだけのハンモック状態。
続いてスプリングピンを外す。
スプリングピンの外側のプレート状になっている部分のボルトを外しただけでは、スプリングピンに荷重がかかっているようで外すどころか回すこともできなかったので、リーフ下のジャッキを軽くリーフを持ち上げる状態に調整したところ、下の画像のようにスプリングピンが動くようになった。
この状態で内側からゴムハンマーでスプリングピンをたたいて外側に押し出した。
何度かたたくと、下の写真のように外側にスプリングピンが外れる。
最期は、手でスプリングピンを抜き取る。
そして見えたブッシュは下の写真のとおりボロボロ。
スプリングピンが変形したり錆びて折れたりダメージが出る前に気が付いてよかった。
続いてブッシュを取り出して、新しいブッシュを装着できるようにするため、フロアジャッキを下げる。
リーフが下がったところで、崩壊したブッシュを取り出す。
ブッシュを取り出した穴はパーツクリーナーでクリーニングしておく。
ここで使うのは、以前、シャックルブッシュが崩壊した際に念のため取り寄せておいたTJMゴールドサスペンション純正のブッシュ。(シャックルブッシュはトヨタ純正のゴムブッシュで凌いだので特段必要はなかったが、事後にサスペンションキットを販売していたJAOSから購入。)
何も崩壊したのと同じブッシュを買わなくても良いのだけれど、崩壊した原因が自分のメンテナンスのつもりのモリブデン入りスプレーかどうか特定するためには同じものがよいと判断したもの。
ちゃんとシリコングリースも入っているので、今回はこちらを使い、メンテナンスも同様にシリコングリスのみ使う。
スプリングピンもパーツクリーナーで掃除して、シリコングリースを塗布。
ウレタンブッシュにもシリコーングリースを塗って、リーフに装着したら、後はバラしたのと逆工程で戻すだけ。
こうして無事、スプリングピンのブッシュ交換が終了。
助手席側スプリングピンのブッシュ交換
作業手順は運転席側と全く同じなので割愛。
違いはブッシュの劣化度合い。
助手席側のスプリングピンのブッシュはから見た感じでは亀裂が1か所入っているだけで、外してみても下の写真のような状況。
左右でこれほど差がある要因として思い当たるのは2点。
1つは、車を駐車する際、助手席側を壁に寄せているので、メンテナンスのつもりで余計な油を吹きかけた回数が少ないこと。
そして、もう1つは、その位置のおかげで、雨風、雨とともに降り注ぐ海水に晒される機会がすくないこと。
このどちらか、または両方が影響して運転席側がひどく崩壊したと思われる。
なにはともあれ、こちらも特に問題なく交換が完了。
少しでも長くもってくれることを願うばかり。
苦難のシャックルブッシュ交換
は後編にて。
ブッシュの交換お疲れ様でした。
あの~、(ジャッキ手前の小さなボルトナットが地味に面倒なセンターボルト)の画像に、ブレーキキャリパーのオイルドレンボルトのゴムキャップが無いように思います。既に取り付け完了しているようでしたらスルーして下さい。
ゴムキャップは、5か所使用してますね。
スズキ純正のゴムキャップの方が長持ちしそうなので愛用してます。自動車部品商で購入してます。
右側リーフサスペンションの上から数えて3番目リーフが若干ズレてますが想定内ですね。センターボルトを少しだけ緩めないと補正は難しそうですね。
↑矢印さん
コメントありがとうございます。
自転車の空気入れるところのゴムキャップみたいなのが外れて転がり、ボロボロだし、意味ないのかな?と放置してました。
早速、モノタロウでスズキのものをオーダーしました。
リーフのズレ、確かにありますね。問題ないレベルなら、そのうち塗装したいのでその際にでも直そうと思います。