まえおき
火山噴火や地震、大雨など災害の報道で被災した方の様子を見るに度、備えなければなぁ、と思い新たにしては、気持ちよく忘れ、を繰り返すのがここ数年のルーティン。
過去、一度だけ本気で備えたのは、東日本大震災で津波の恐怖を目の当たりにした際、沿岸部に住む危機感から、家族分の防災グッズを買い漁った事があるが、もう10年以上、バージョンアップしていない。

バージョンアップどころか、当時の備えはかなり陳腐化している。
住まいを失う程の事態になれば、別だが、ライフラインがストップする程度の被災を想定すると、水、食料、そして電気の確保は重要な課題。
そして、水、食料はある程度備蓄しているものの、電気は小さなモバイルバッテリー、ジャンプスターター以外は殆ど備えなし。敢えて言えば車のバッテリーが頼みの綱。
こんな事を思いながら、ネットで調べ始めると、そのうち調べなくてもこんなんどうですか、と自動的に広告が市販品のjackeryなどお洒落なポータブルバッテリーをオススメしてくる。
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価格は容量次第でピンキリ。
以前、丸目部会長のまるさんが、車中泊用に購入していたのもjackeryだったので、これなら安心そうだということで、取り敢えず、3、4万円くらいのヤツで手を打ちそうになったのだが・・・
少しネットでバッテリーについて調べてみると、サブバッテリー用のケースや、各種電装部品を使ってオリジナルのものをDIYするという選択肢もあると知り、俄然興味が湧いてきた。
何事もDIYしてみることで真剣に調べたり考えたりして、理解が深まるので、やって無駄なことはないというのが信条。
幸い、家には間違って劣化前に車から下ろした純正バッテリーがある。そして少しでもお安く済ませたいというケチ心もある。
市販品のイカしたバッテリーよりもかなり重たくなるようだけれど、この眠れる秘宝を使って、DIY制作を楽しみつつ、防災グッズ兼キャンプ・車中泊用サブバッテリーを作ってみることにした。
(注)車のバッテリーは充電中に水素を発生(状態によっては有毒ガスも)させたり、使い方を謝ると爆発することもあるため、車の所定の位置で用法に従った方法で使用するようメーカーから注意喚起されています。DIYは自己責任でお楽しみください。
用意したもの
購入価格(2022.227時点)・・・バッテリー,配線小物は除く
- ①~⑧ 16,732円
- ⑨ 7,182円
- 合計 23,914円
↓本来使うべきメンテナンスフリーのバッテリー例
ケース加工
純正バッテリーのサイズに合うケースを注文したから当たり前だけれど、ケースの寸法はピッタリ。
蓋とバッテリーの間には大きな空間が開いているので、そこを使用して、チャージャーや、トグルスイッチなどを設置するための穴あけ加工。
配線
ヒューズを内蔵していないLED照明だけは、ヒューズを取り付けで、配線。
蓋の脱着時など、ショートさせるリスクを少しでも減らすため、すべての機器にオン・オフスイッチ(トグルタイプ)を取り付けておいた。
完成
完成品の仕様(インバーターは含まず)
- バッテリー容量 178,378mAh(「80」の5時間率蓄電容量=55Ah 55Ah×12V=660Wh 計算あってるか?)
- 重量 19.5kg
- USB充電ポート(QC3.0)TYPE A×3、TYPE C×1
- シガーソケット×1
- LED照明×4
これにAC電源が欲しいときは、正弦波インバーターを取り付ける(通常時はシガーソケットから給電)ことで、ノートPCなども使用可能となる。
充電
使用する前に、車から降ろして時間のたっているバッテリーを充電しなければいけない。
液量は減っていないし、外観上、特段問題はなさそう。
いい加減にやると危ない充電は、可能な限りちゃんとするよう、少しお値段の張るエーモンのものを用意。以下の機能を備えているので安心。
⑧エーモン(amon) OGC バッテリーチャージャー 12V 鉛バッテリー 40~120Ah適用 ディープサイクルバッテリー対応 自動充電モード サルフェーション除去機能 8625 6954円 |
(商品説明より引用)
- 12V鉛バッテリーの充電に。逆接続保護機能付で安心・カンタンにバッテリーを充電できる。
- サルフェーションに電気刺激を与え寿命を伸ばすデサルフェーションパルス機能付。
- バッテリーの状態によって使い分けられる3種の充電モード搭載の充電器
- 自動充電モード:バッテリー状況に応じて最適な充電を実行します
- 24hパルスモード:サルフェーションを除去し、バッテリー液を循環させることでバッテリーを長持ちさせます
- 3hチャージモード:電圧が上がらないバッテリーの救済用
実際に充電してみると、最初の充電時は、自動で24hパルスモードになったようだったので、その後、もう一度自動充電。
なお、充電は、液口栓は開放し、換気しながら行う必要がある。
充電の結果、13Vまで充電され、実際に使用してみても、大きなは問題なさそう。しばし眠らせてしまったバッテリーなので、もう少しテストしてみないと分からないけど・・・
これはおススメなのか?
実は、勢い勇んで作り始めたのだけれど、最後の最後、手持ちのインバーターが正弦波※ではないことを知り、正弦波のインバーターを調達。
※安価なインバーターには「矩形波」に変換することで、一部の家庭用電源を使う機器(主に充電)に使用できるようにするものが多い。しかし本来の交流電源(AC)は「正弦波」。パソコン、電気毛布などは正弦波でないと使用できないものがあるらしいので、本気の防災用には正弦波が必要だと思う。
すると、インバーターにはしっかりUSB充電ポートも2つ備わっており・・・
最低限の機能を目的とすれば、おそらく、バッテリーとケースと正弦波インバーターがあれば、十分なのではないかということが発覚。
まぁ、インバーターは使ってみると思った以上に「ウィーン」おと立派な音が出るから、夜間寝ている傍では使いにくかったりしそうなので、そんな時に静かに充電できたりする利点があるし、作るのは楽しかったから、よしとするとして・・・
気になる市販品はというと、今回制作したものより、やや容量の大きい市販品は、大きさがほぼ同じだが、重量がわずか6.8kgと桁違いに軽い。
価格が7万円程度するけれど、見栄えの良さ、持ち運びやすさ、充電の気軽さ、安全性※などなど、価格以外のすべての面において圧倒的に勝る。
※カーバッテリーは充電の際、換気が必要で、液量が減ってるのに気づかず充電すると爆発したり、転倒させて有毒な液が流出する危険など、本来の使い方と違う用法は大変危険らしい。
というわけで、20kg近いものを持ち運ぶ気合と、DIYが趣味な人以外には全くおススメではない「防災用&キャンプ・車中泊用サブバッテリーをDIY制作」であった。
とはいえ、自分的にはカーバッテリーの危険性について学ぶ機会にもなったのはよかった。なんせ、以前、車中泊用にこのバッテリーを使った際は、密室の寝室で不通に充電しちゃってたし・・・家族が無事でよかった。
災害はないに越したことはないけれど、活躍の場を与えるためにキャンプに行きたくなってきた。ケース付属のベルトで車の荷室に固定できるようにしないといけないなぁ~
丸目部会長のまるです。
私のは626Whで、60000円くらいですから、コスパいいですね❗️
電気毛布とともに、もはや欠かせないものになっています。
いざ、冬の車中泊へ❗️
まるさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
正直、重さ、危険性とか考え合わせると、必ずしもコスパいいとも言えなそうな気がします・・・
自分はこれでいいですが、おススメとまではとてもとてもでした。