まえおき
人生初のべトナム旅行(じゃなくて出張)。
本業そこそこに、自分が気になるのはランクル70研究所として現地の車とランクル事情のみ。
訪問先は北部にある首都ハノイと中部にあるビーチリゾートのダナン。

ベトナムといえば南部のホーチミンを思い浮かべる人の方が多いと思われるが、日程の制約てホーチミンは次回のお楽しみになってしまった。
6月に訪問した隣国のカンボジアはランクル天国でたくさん走っていたし、ちょくちょくランクル70も目にすることができたので、少し期待して出向いてみた。
道路事情
ランクル事情の前に、現地の道路事情を少々。
ベトナムはとにかく、バイク(日本でいう原付)が多い。
道路の状況を表すとバイクが水の粒子で、車が水の中を泳ぐ魚のような感じ。(下にある動画参照)
現地の通訳さんに聞いた話だが、少し前には、中国製の安価な電動自転車が流行し、バイクから自転車シフトが起きかけたらしい。
しかし、その電動自転車が故障が多くて安かろう悪かろうなことが判明。
再びバイクに戻って今の状態にあるのだとか。(聞いた話なので事実かどうかは不明)
雨も多いベトナム、決してバイクに好き好んで乗っている訳ではなく車に乗れるものなら乗りたいが、経済的にやむを得ないのだとか。
日本の道路に慣れた当方の目にはカオスにしか見えない交差点の様子。
ぶつからないのが不思議な状態でバイクが流れていき、車はバイクがいないものとして走る。
横断歩道を歩行者が渡るからと言って止まる車やバイクは皆無。
横断歩道の手前で安全に渡るタイミングを探していると、おそらく、深夜か早朝以外にはそのタイミングは訪れない。
歩行者に与えられる選択肢は、なるべく車とバイクのドライバーの予測を裏切らないよう、一定の速度で止まらず、戻らず、ひかれないことを願いながら横断歩道を進むだけ。
止まったり、Uターンするのはご法度らしい。
当方も一度、ホテルの前の、街の反対側にあるスーパーマーケットに行きたくて、渡ろうとしたのだけれど、あまりの交通量の多さにに一歩を踏み出せず、おそらく10分近くその場で佇んでいた。
すると、にわかに現れたベトナム人のおばちゃんが「お前、渡りたいのか?ついてこい!」と身振り手振りで合図。
おばちゃんは、躊躇うことなく横断歩道に歩みだすと、車の走ってくる方向に向かって手を広げて、当方を守るようにしながら道の反対側まで護送してくれた。
「シン カモン」とベトナム語で挨拶できればよかったんだが、ここは「サンキュー、サンキュー」とジャパニーズなお礼。
おばちゃんは、チラッとこちらを見て、「いいよいいよ」という手振りだけして歩き去った。
帰り道の恐怖は残るものの、自分のヘッポコのおかげでベトナム人の優しさに触れるとともに、勇気をもらうというハートウォーミングな感じになることができたので結果オーライか?
ちなみに、お隣のカンボジアもバイクと車の錯綜する交通事情は似たような感じがあったが、交通事故はかなり少ないと言っていた。
それに対して、ベトナムは交通事故による死傷者がかなり多いのが問題になっていると言っていた。
カンボジアの首都プノンペンは人口200万人、ハノイは800万人、似て非なるものなのだろう。
ランクル事情
長い前置きの末にようやくだが、現地のランクル事情。
ハノイ、ダナンの2都市に限るが、結論からいうと、ランクルは種類問わず、多く走っているとは言えない状況だった。
ランクルで最もよく見かけたのはランクル100。

続いて、ランクル200とレクサスのLX570。


ランクル300は路上で見かけたのはゼロ。唯一、高級車レンタカー屋らしきお店の車庫の中の1台を見かけただけ。

トヨタ車のSUVで言うと、最もよく見かけたのはフォーチュナーというハイラックス相当?の車。そのほかには120系プラドも走っていた。


富裕層が相当増えているベトナムなので、ランクル300がワンサカ走っていることを楽しみにしていたけれど、そこは大きく裏切られてしまった。
ベトナムトヨタのSUVラインナップ
もしかしてランクル300はベトナムで販売してないのかなと、一応、ベトナムトヨタのサイトをチェックしたところ、以下のラインナップがあった。



FORTUNER | 1,015,000,000VND | 約604万円 |
Prado | 2,588,000,000VND | 約1540万円 |
LAND CRUISER 300 | 4,196,000,000VND | 約2500万円 |
※2022/10/23時点のレートによる。グレードによる変更あり。
今、円安局面ということもあるにしても、改めてトンデモない販売価格を知りビックリ。
ベトナム人の平均年収が高い州でも40万円/年(←月収ではない)と言われていることを考えれば、上記のような車に乗っているのが相当な富裕層(又は外国人)であろうことが容易に想像される。
ランクル300が走ってないのはおそらく、日本同様、納車が進んでいないためなのだろう。
カンボジアで大量に走っていたランクル300はイリーガルに中古車としてドバイなどから輸入されたものだとのことだったので、そのあたりのガバナンスがカンボジアよりしっかり機能していることの証左かもしれない。
ベトナム人の好きな自動車メーカー
あくまで今回、お世話になった通訳さんに聞いただけなので、統計的なものではないが、ベトナムで人気の自動車メーカーについて聞いた結果。
常用レベルで一番好きなのはTOYOTAとのことだった。
理由は壊れ難いからとのこと。日産の同じスペックの車と比べると少し高くても、トヨタが選ばれるのではないかとのことだった。
街中では日本車ではマツダがトヨタに次いで多く走っている印象だったけれど、マツダはトヨタよりは故障するイメージが強いとのことだった。(あくまで個人の感想)
高級車の分野でも聞いたころ、AUDI、BMW、MERCEDES、それに並びLEXUSが入るとのことだった。
ちなみに、ベトナムにはビンファーストというベトナム初の国産メーカーがある。
ビングループというのは、いわゆるコングロマリット(複合企業=なんでもやる会社)と言われる大企業で、自動車業界にも進出し、2021年には初のEVを発売したので、その人気も聞いてみたところ・・・
見た目、内装は高級感があって、価格は安いのだが、鳴り物入りで販売開始したEV車の1/3ほどが故障で回収されたりと信頼性がイマイチで、個人的には買いたいとは思わないとのことだった。
まぁ、テスラだって、最初は色々あったのだろう。
自動車産業は裾野が広いので、その成長がベトナムの成長に与える影響も大きいはず。今後に期待したいものですな。
まとめ
というわけで、ベトナム調査では、残念ながらランクル70には遭うことができなかった。
しかし、確かにランクルは走っていたし、ランクル以外のトヨタ車、トヨタ以外の日本車が多く走っていたし、トヨタが人気のメーカーであるという嬉しい事実は確認できた。
結果としてランクル70が走っていなくても、ランクルに興味をもって出向くだけで、現地の道路事情が気になるし、ベトナム人に好きな自動車メーカーを聞こうと会話する気にもなる。
ベトナム人の平均年収も自動車価格との対比でしっかり頭に入るし、本業にも関係するコングロマリットの名前も覚えられる。
ランクル70という車に出会ったことが自分の人生の幅を広げてくれているなぁ、と実感のランクル事情調査inベトナムであった。
おまけ
ベトナムといえばフォー(色々な名前の米麺があるが、名前の違いがよくわからなかったのでまとめてフォーと呼んでます)でしょ、ということでとにかく食べまくった。
ホテルの朝食も美味しくて食べすぎたので、後半は胃が疲れてしまったけれど、飽きることのないさっぱりした美味しさ。
この円安下でも、フォーなどの麺類は有名店で食べても200~300円程度。
ホテルもそれほど高くないし、飛行機で5時間程度。
無理してハワイに行かなくても、家族旅行もベトナム有りだなぁ、と思わさるほど良いところだった。