2014年の新聞記事で小鑓氏が語るランクル70再販の背景と再再販への意欲が興味深い!!

先日、再再販ランクル70オーナーとしてオーナーリストにエントリーしていただいたロンドンバスホテルさん(No.408)から、以下の連絡をいただいた。(ロンドンバスホテルさん、掲載まで長期間を要したことお詫びします。)


携帯電話の過去画像を見返しておりましたら、9年前の70再販時の新聞記事をスクショしていたものがでてきました。
ちょっと画像がよろしくなく、何新聞かハッキリしないのですが(当時購読していたのが毎日新聞だったと記憶しています)、当時の開発陣の思いなどがよくわかる面白い記事でした。貴サイトで紹介いただけないかと思い送付させていただきました。

以下、当方が文字起こししたもの。誤記等ご容赦ください。

  • この日、トヨタの役員を集めたランクルシリーズの試乗会が開かれ、急斜面やぬかるみなどの悪路をものともしない屈強な走りに歓声が上がっていた。
  • 試乗会を企画した開発責任者の小鑓貞嘉チーフエンジニアは頃合いを見計らって切り出した。「16年に販売終了した70の発売30周年が26年に来ます。もう一度(ラインアップに)戻せませんか?」。既にランクルファンとなっていた役員たちから反対意見は出なかった。小鑓氏は心の中でガッツポーズをした。
  • 「4WD(四輪駆動)の王者」とも呼ばれるランドクルーザーはトヨタの現行車種で最も歴史が長く、23年に生誕60周年を迎えた。なかでも70シリーズは最も質実剛健なモデルとして知られ、世界各地の災害・紛争地域や鉱山などの過酷な環境で活躍している。
  • ただ、国内では16年に販売を終了した。当時はディーゼルエンジンのみの展開。環境規制が強化される中、対応するエンジンの開発と採算性を両立できなかった
  • 「70はミスターランクルだ。このままでは忍びない」。苦渋の販売終了以来、小鑓氏は復活のタイミングを待ち続けた。
  • ただ、ハイブリッド車(HV)など環境技術で世界を牽引する「エコカーのトヨタ」がガソリン1リットルあたり6.6kmしか走らない70を再発売するには、相当な口実が必要になる。
  • 地球温暖化が深刻になるなか、本格的に販売を再開すれば批判を浴びる恐れもある。ならば30周年に合わせて限定販売するのはどうか。そう気付いたのは23年、ランクルシリーズ60周年の企画を立てていたころだ。試乗会で役員の参道は取り付けたが、実現には採算が取れると営業部隊を納得させなければならない。
  • ハードルは高かった。ランクル70はマニュアル車しかなく、ハンドルを回して窓ガラスを開け閉めするなど、出先でも修理できるよう電子機器を極力省いている。「命を預けられる車」(小鑓氏)であるが故に、快適さを追求した今どきのクルマとは正反対を向いているのは確かだ。
  • 「月100台も売れないだろう」。そう指摘を受けた。
  • だが、小鑓氏には確信があった。復活を望むファンの熱意に直接触れていたからだ。全国の販売店からの聞き取りでも「もっと売れる」と好意的な反応が返ってきた。「採算がとれる最低限のラインでも、企画さえ通せれば何とかなる。」そんな思いで交渉した結果、折り合った販売目標が月200台だった。
  • 8月に再発売を発表した直後の週末、販売ディーラー、愛知トヨタ自動車(名古屋市昭和区)の旗艦店で来店客を眺めていた小鑓氏は驚いた。
  • ランクルの既存モデルのオーナーは50歳以上が中心なのに、新型70は20~30代の男性が「これは新鮮だ」と目を輝かせていたからだ。主に既存オーナーの買い替え需要を見込んでいた販売台数は、若者の心をつかんだことで跳ね上がった。
  • 販売は来年6月で終了する。延長はないという。だが、小鑓氏はこう付け加えた。「これからも海外市場に合わせて進化させるなかで、どこかのタイミングでとは考えている。(再復活を)諦めてはいない」

※年表記は平成〇〇年。


非常に興味深い内容の記事、ありがとうございます。

まさに2014年ランクル70再販期間中の記事で、小鑓氏がこんなことを語っていたとは知りませんでした。

当時から、2014年の再販が期間限定である理由として「後部衝突安全性の基準がクリアできなくなる」と言われていた気がするが、個人的には世界で様々な厳しい基準に対応して販売しているトヨタがたった(簡単という意味ではなく、難しいことでもトヨタに不可能とは思えない、という意味)それだけの理由で???

と思っていたのだが、この記事にあるようなエコカーを牽引するトヨタが、本格的な販売での批判を恐れた、というのは何よりもシックリくる理由だ。

トヨタほどの大企業ならば世間体への配慮など大人の事情も相当なもののはず、それらを乗り越える30周年記念というアイディアで復活させてくれたとは、本当に感謝しかない。

そして、最後に再再販を予言するような決意表明まで。

このほぼ10年後、本当に再再販が実現し、ランクル70のさらなる進化とファン獲得を果たすとは・・・恐るべし。

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