まえおき
前回のランクル70中古車市場動向調査は2021年6月。
前回は価格上昇傾向が引き続き確認され、どこまでいくのか興味深いところだった。
半年経過して市場はどうなったのか、状況調査を行った。
※ここで取り上げるランクル70は、2014年に国内再販された、再販ランクル70、復刻ランクル70などと呼ばれる車である。(GRJ76K及びGRJ79K )
今回も文体のテイストをレポートっぽく「である」調にしてます。「素人が偉そうに!」と怒りが込み上げる方はここで離脱いただくほうが無難である。
この結果を見て、ご自身の愛車の価値を推測してウヒャウヒャ言うもよし。購入が遠ざかっていくと嘆くもよし。そんな価値はないのに何かの間違いだろうと憤慨するもよし。ここにある数字だけは紛れもない事実である。
調査結果
○前提条件等
★価格は車両本体価格(諸費用含まず)
★第1回、第2回調査時は450万円以上のものは特殊事情による異常値と判断して除外(→前回3件、前々回6件を除外。)していたが、第3回調査以降は異常値とするには台数が多いため除外せず。
★今回も中古車在庫はグーネットにあるものが全てという前提を置いての定点観測。個人売買など、掲載されていないものは当然漏れているので悪しからず。また、価格が「ASK」となっているものも除外している。
在庫台数
まずは在庫台数を見ていく。

再販ランクル70全体での中古車在庫台数としては、前回の39台から41台増加して80台となった。
新車販売された台数が約7000台なので、概ね1%が中古車市場に出ていることになる。
平均価格
続いて在庫車の平均価格。

バン(GRJ76K)、ピックアップ(GRJ79K)合わせた全体の平均価格はこの半年で約37万円(訳8%)上昇。
特にバンは50万円近い上昇となり、平均価格上昇をけん引した格好である。
平均走行距離
そして在庫車の平均走行距離。
前回調査時から約1.2万キロ増加して平均4.25万キロ。これは妥当なところという印象である。
ここまでの各データを見ると、前回から台数は倍増近いものの、価格が大幅上昇を続けているのは価格が上昇しすぎて買い手がついてこれなくなっているのではないかと推測される。
在庫が増えてくれば価格が多少低下、又は上げどまりしてもおかしくないところだが、
・昨今の半導体不足による新車供給停滞 ・長期化しているSUVブーム ・コロナを契機に人気に拍車がかかったアウトドアブーム ・特定販売店のシェア拡大を背景とした強気価格設定 |
が影響している様子が見て取れる(妄想)。
ちなみに、前回も書いたが、新車時の再販ランクル70の販売価格が標準的なオプション設定と一定の値引きなどを踏まえて330〜400万円程度(諸費用込350〜420万円程度)だったと思われる。
あえて、今の相場で中古車を買うことを正当化することを試みるとすると、以下のような考え方があるだろう。
走行距離が4~5万キロのランクル70はまだまだ慣らし運転といっていい水準で車としての劣化(減価)はほとんどない(と無理やり思い込む。)。 2015年にランクル70を新車で購入し、約7年間、普通にナンバーをつけて維持すれば、105万円(少なく見て15万/年×7年)ほどの維持費がかかるので、再販当時、380万円で購入して今まで維持するのには、車両代込みで少なくとも495万円ほどが必要となる。 そうならば、今、譲り受ける車が495万円ほどであっても仕方ない。 その間に走って楽しんだ分は、適度な慣らし走行と手間賃と思えばいいので、今の相場で買うのは、特段大きな損をしているわけではないだろう。 |
実にテキトーな考え方であるが、こう考えて、気が済む人が一人でもいて、気持ちよく中古車を購入していただければ幸いである。
さて、この異常ともいえる価格高騰に水を差すことができるとすれば、やはり待望の国内再再販しかないのである。
いくら国内復活のために手間暇かかるとはいえ、今の状況であれば400万円半ばでも相当台数が売れるに違いないし、そうすることで中古車市場が300万円台に戻ってくれることも期待できる。
中古車業者に美味しい蜜を吸われまくっているばかりでいいのですかTOYOTA様、ここはひとつ半導体も少なく済みそうなランクル70の緊急国内供給による価格安定化という英断をお願いしたいところである。
価格帯別在庫台数
次に価格帯別にどの程度の数のランクル70中古車が販売されているかを見ていくことにする。
毎度思うが、2019年調査時の200万円代が9台というのは間違いじゃないかと思ってしまうレベル。
最大ボリュームゾーンは前回の426~450万円から更に上昇して501万円以上の価格帯。
実に70%以上が475万円以上に入るという事態になっているのである。
結果論だが、青い棒グラフの200万円~300万円に在庫が集中していた2019年までに買った人は非常に懸命だった。
都道府県別在庫台数
続いて都道府県別のランクル70在庫台数を見ていく。
今回は比較的分散されている印象だったが、その一つの要因として、以前は目立たなかった福岡、鹿児島、富山など、まだディーゼル車に乗れる地域の在庫が増えた印象がある。
在庫があるのだから、売れてない、とディスるのを否定するつもりはないが、現在の人気化を考慮すると、これらのエリアでも、新世代などをターゲットに再販ランクル70を仕入れし始め、競争が激化してきたのではないかと推測することもできる。
そうなってくると、今後、ますますディーゼル規制で再販ランクル70しか選択肢がないエリアでのタマ不足が深刻化しそうな気配がしてくるのである。
販売店シェア
最後に販売店のシェアを見ておきたい。
なんといっても、圧倒的なシェアを誇るのがSUV LAND(ネクステージ含む)で実に53%。
これだけのシェアを占めれば、市場価格への影響力はかなり大きなものになる可能性がある。
仮に一台400万円で仕入れたとして、40台仕入れてもわずか1.6億円ほど。
これで圧倒的シェアを獲得できるのだから、大企業にとっては安いもの。
なかなかいい所に目を付けたなという印象である。(もちろん、リスクをとってビジネスされているので、いいの悪いのというつもりは毛頭ございません。)
2位フェニックス、3位グッドスピードまで合わせると、7割以上、この状況が続く限り、当面は価格が大きく下がることはなさそうである。
ちなみに、SUV LANDの在庫はデフロック有無が分かりにくいものが多い。
・オプション装備としてデフロック明記があるもの
・オプション装備に記載はないが画像にスイッチが映っているもの。
・画像にスイッチ位置が映っていないため有無が断定できないケース(運転席ハンドル付近を助手席側から撮影した画像)
これらの3ケースがあるので、せっかくランクル70を買うのなら、デフロックはあった方がよいのではないかとおもうので、オフロード走行するしないに関わらず、事前に確認することをおすすめしたい。

まとめ
さて、今回も残念ながらランクル70中古車相場高騰が継続というレポートとなってしまった。
買わない理由を見て買わないことに納得するも結構、
複数台持っていて、いつか1台売ってやろうとワクワクするもよしである。
自分としては、公募増資で株価が暴落する姿宜しく、国内再再販によって再販ランクル70中古車価格が暴落するのを願うばかり。
さて、この先はどうなるか、引き続き半年に1回程度調査を継続していくつもりなので、引き続きよろしくお願いしたいところである。
前回も最後に述べたが、再販ランクル70の盗難の話は今までほとんど聞いたことがないものの、価格高騰、希少化が進むと、今後発生する可能性もあるので、皆さん注意されたし。
また、この機会に愛車の価値を知ってみたい方は一括査定が便利。以前はランクル70非対応だったけれど今はしっかりリスト入り。手軽に使えるようになってるようです。
丸目の中古車の価格が、再販新車販売時より高くなっているのは、異常としか言いようがないです・・・。
80を売る時にも1~2年前にどの位で売れるのか調べた時には、むしろこちらが10~20万を出す状態でした。それが70万ほどに。
中古車屋さんも行っていましたが、ランクルは価格変動が激しく怖い位であると・・・。
今は100が安くなっているようです。
hzj70mnuさん
コメントありがとうございます!
異常が普通になる過渡期なのでしょうね。
我々は驚きますが、いずれは当たり前になるのでしょう。
確かにランクル100、安いですね。
といってま、数年前から相場があまり変わってない感じで、相対的に安くなった感じがするだけかも・・・
丸目部会長のまるです。
再販もさることながら、丸目もえらいことになっていますね。
丸目最終の10万km未満が600万越えとか・・20万kmレベルでも新車大幅越えとか・・・フロントリーフの30年落ちが300万越えとか・・・
もうあり得ません・・・
まるさん
ガソリン、マンション、車、小さくなったロールパンやお菓子まですべてが値上がりしてて、さすがにオイオイ感が出てきますね。
ランクル70人気なんて小さな話ではなくて、これがインフレってやつなのかもしれませんね・・・