レカロシートの危機?!保安基準適合強度証明書が車検で必要に?

まえおき


愛車ランクル70はフロント2席、レカロシートを装着している。

レカロシートは腰痛持ちの自分のにとってとてもありがたい、手放せないアイテム。

一度使えばもう純正シートには戻れないという人も多いだろう。

そのレカロシートに新たな問題が起こっているらしいことを再販ランクル70オーナーのRJさんからの連絡で知った。

レカロ愛用者としては気になる情報なので少し調べてみた。

RJさんからの情報


昨日798回目の車検の為、いつものディーラーへ行きました。

受付後担当者より、レカロシートとレールについて強度証明(保安基準適合強度証明書)が必要との回答。

今まで7回はOKだった理由は?

トヨタの販売店での、不正車検発覚が原因「レクサス高輪」他12店舗、よって対応の規制が厳しくなった為だそうです。

ディーラーにてメーカーに強度証明を依頼し車検証に付ける為、車は預ける羽目になり、30ページほどからなる証明をもらいました。

ゲルマンの言葉らしき写しで私には理解不能です。

一部写真を送付しますね。

レクサス高輪における不正車検とは


ことの発端らしき不正車検の内容はプレスリリースされている。

内容にレカロ云々は含まれてはいない。

(出典:トヨタ自動車プレスリリース)

2021年07月20日

レクサス高輪における不正車検につきまして
お知らせ

トヨタ自動車株式会社
トヨタモビリティ東京株式会社

このたび、トヨタモビリティ東京(株)レクサス高輪におきまして、指定整備の一部の検査において、基準を満たす値への書き換えや、一部の検査を実施しなかった事実が認められました。
レクサス高輪のオーナー様、またレクサス・トヨタ車をご愛用いただいている多くのお客様、ならびにお取引先の皆さまの信頼を損なう結果となり、多大なるご心配とご迷惑をおかけすることとなりましたことを、深くお詫び申し上げます。

自動車メーカー、自動車販売店として、お客様の安全と安心を何よりも優先させるべきであるにも関わらず、それらを損なう結果となりましたことを、重く受け止めております。
対象となるお客様には速やかにご連絡させていただき、お詫びを申し上げ、再検査をさせていただきたいと考えております。
また、国の認可を受けた指定整備事業者としても、国の検査を代行する責任ある立場にも関わらず、絶対にあってはならないことを犯してしまったことを、重ねてお詫び申し上げます。

今回の不正は、増加する仕事の量に対して、エンジニアを中心とした人員や、設備の増強が追い付いておらず、慢性的に高負荷な状況が続いていたことが一因として挙げられます。
また、決められた時間内に車検を終わらせることも、目的となってしまっておりました。一台一台のおクルマには、車種や、走行距離、日々の使われ方や、車両の状態などで、必要な作業時間が異なりますが、当初予定された時間で仕上げることを最優先してしまったために、今回の不正につながりました。

今後は、必要な人員の増強、サービス機器の更新などを最優先で進め、エンジニアのための十分な休憩スペースを設置するなど、働く環境の改善を実施いたします。
また、安全・安心なクルマの整備に必要な追加作業にかかる時間などを、今後はお客様にしっかりとご説明してまいります。

そして、経営陣が店舗のオペレーション上での負荷と悩みを現地現物で把握し、店舗における業務のあり方を抜本的に見直すことにより、全員が目指すべきものに向けて一つになれる環境とお互いが話し合える風土を作り上げてまいります。

メーカー、販売店一丸となって再発防止に向けてしっかりと取組んでまいります。

  1. 不正内容と再検査が必要となる台数
5つの検査項目 不正内容 対象台数
  1. ヘッドライトの明るさ
基準を満たす値に書き換え 565台
  1. フロントタイヤの角度
  1. パーキングブレーキの効き
  1. 排気ガスの成分
検査を実施しなかった
  1. スピードメーターの精度(誤差)
  1. レクサス高輪のお客様への対応について

今回の不正が疑われるレクサス高輪の対象車両のお客様には、担当スタッフから直接連絡をさせていただき、あらためて該当項目の「再検査」を無償にて実施いたします。

  1. レクサス高輪の再発防止策とトヨタモビリティ東京(株)としての全社の未然防止策
  1. 人員の増強・働く環境の改善

高負荷を軽減するために、サポート要員等の増強ならびに検査機器やサービス機器の更新などを最優先で進めるとともに、店舗で働く社員のために十分な休憩スペースを設置するなど、働く環境を点検して改善を図ります。

  1. サービスオペレーションの見直し

点検整備と検査に関わる時間を一律にせず、個別の車両の状況に応じて設定します。また、ヘッドライト光度検査等の計測値は画像に保存し、検査の信頼を担保します。さらに、現在の車検作業の手順が適正かを、現場の環境に照らして検証し、作業手順の改善を図ります。営業スタッフはご用命を丁寧に伺い、エンジニアとの事前打合せにより、作業に必要な時間と費用を正しくお伝えします。また、お客様をお待たせしないよう改善を図ります。

  1. 社内教育の徹底

全検査員を対象に、その任務を再確認するための勉強会を実施しました。また、営業スタッフを含む店舗のスタッフに対して、検査員の職務と業務について周知しました。今後もこの教育を定期的に継続実施します。

  1. コミュニケーション強化

検査員の悩み事や疑問を受け付けるための新たな相談窓口「検査員ヘルプライン」を本社に設置しました。そして、役員および幹部が積極的に現場に足を運び、広く困りごとに耳を傾け、課題に対して真正面に向き合ってまいります。

以上

ルール変更?


従来は?

シートは乗員の安全にかかわる重要な部品だけに、一定の厳しい基準が適用されていたことは当然。

当方の地元トヨタディーラーでは、2014年当時から、レカロシート装着状態での車検は断られていた。(正確に言うと、装着したままだと車検場に持ち込むので時間がかかる、と言われた。)

2015~2016年頃に当方にその事情を説明しようと担当者から渡されたディーラーのレカロ等の検査マニュアルらしきものには以下の記載がある。

「純正品以外のシート及びシートレールに関しては全て持込車検にて対応しますが、・・・レカロ・・・のシート及びシートレールは、保安基準適合を証明する試験成績の書類を全国の運輸局、運輸支局、自動車検査独立行政法人等に提出しているため、追加の証明書や申請等の手続きは不要ですが・・・」

つまり、この時点では、持込車検にはなるものの、レカロシート、レカロシートレールでも、ステッカーで保安基準適合が確認できれば、それ以上の書面の確認までは求められない、ことを前提としていたことが分かる。

平成29年7月に書面提出対象が拡大

しかし、平成29年(2017年)の道路運送車両法施行規則の改正により、視認等で基準適合性審査が困難なものは、新規、継続問わず全検査において基準適合性を証する書面を提出することが義務付けられている。

2003年10月以降の正規品のレカロシートであれば貼ってある「保安基準適合」ステッカーや、シートレールの型式のステッカーがあれば、保安基準適合強度証明済みと判別可能という考え方も成り立ちそうな気もする。

そんなこともあり、もしかすると、ディーラー、検査場でもこの規則改正後も、実態としては従来と変わらない運用がなされていたのかもしれない。

少なくともRJさんの例でもそうだし、当方が昨年、今年、いずれもユーザー車検で車を持ち込んだ際も、レカロシート、レールについては何の指摘もなく、書類も求められなかった。

レクサス高輪事件が厳格化を招いた?

そんな中で、上記レクサス高輪の不正車検事件が起きて、全体的に車検の厳格化が図られる中、改めて「視認等では基準適合性検査が困難なもの」の解釈も厳しくなったということだろうか?

ネットで調べると、確かにユーザー車検、ディーラー車検問わず、継続車検でも保安基準適合強度証明書が求められるようになっている実態が確認できる。

2021年7月にオートバックスが公開したお知らせ文書にも以下のように記載されている。

事実誤認、誤解もあるかもしれないが、少なくとも自分としてはこんな経緯なのかなという推測をしてみた。

影響は?


ではこの車検時の運用の変化によってどんな影響があるのか。

ユーザー車検は無理?

ユーザー車検でも保安基準適合証を求められるが、この保安基準適合証をレカロが個人には送付してくれず、販売店、ディーラー等、屋号のある店でなければ送付してもらえないらしい。

つまり、レカロシート、シートレールが正規品で保安基準適合を証明できるとしても、個人が自分で持ち込む純粋なユーザー車検は事実上不可能?

2024年5月現在では、レカロのホームページから車検資料を請求できるようになっており、ユーザー車検の道も閉ざされていない。

ただ、一度、ディーラー等で車検を通して、その際に適合証を入手しておけば、次回からはユーザー車検でもその資料を見せればよいとすれば、救いはある。

古いレカロシートは無理?

救いがなさそうなのは、自分のように古いレカロシートを愛用していて、型番などのステッカーもなく保安基準適合証が取得できない場合。

当然、ディーラーでの車検は不可。

当方の場合、少なくとも2022年1月にユーザー車検をクリアしている。

ディーラーが車検してくれなくても、ユーザー車検で検査場に持ち込めば、古いレカロシートでも何も言われなかったので、正々堂々と装着して走っていられた。

しかし、検査場に持ち込んで不合格になると分かっているレカロシートを装着して走るとなると全然状況が違う。

整備不良として検挙されても何も反論できないことになってしまう。

自分的には、少なくとも今愛用しているレカロについては完全NG宣告を受けたも同然。

まぁ、古くて安全性の確認できないシートを使ってる状況がそもそもおかしい、と言えばそれまでだしなぁ。

新しいレカロを調達して次回はディーラー、整備工場で車検を受けることにするか・・・

ひとまずは今の車検期間満了をもって大人しく純正シートに戻すしかないか・・・

「レカロシートの危機?!保安基準適合強度証明書が車検で必要に?」への2件のフィードバック

  1. 再販76に乗っていて去年レカロシート(ショップでお願いして)取り付けました。
    レカロのショップ側に聞いてみるとフレームのステッカーで問題ないとのことでしたが、
    事前に確認してみるとディーラー側では書類が必要と言われました。
    記事にもある通り不正車検の件で厳しくなったとのこと。
    書類を準備した状態でディーラー車検受け、従来どおり一日車検でした。
    新たな情報はありませんが、参考までに。

    1. らくたるさん
      情報ありがとうございます!
      やはりそういう状況なんですね。
      ちゃんとしたシート、レールならば準備すれば問題ないということですね。

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