ランクル250含めランクル3兄弟のスペック比較

まえおき


2023年8月2日にTOYOTAが開催したランドクルーザーワールドプレミアにおいて、今後の国内ランクルラインナップについての方向性が明らかにされた。

象徴的(フラッグシップ)なモデルとなるランクル300。

出典:global toyota HP
出典:global toyota HP

生活実用的なモデルとなるランクル250

出典:global toyota HP

そして普遍的なモデルとなるランクル70。

ランクル300、ランクル70の位置づけは基本的に従来と変わりない。

ランクル250は従前モデルのプラドがいつしか高級路線に走り、ランクル300との境界が曖昧になりつつあったところが是正され、生活実用的なモデルと位置づけられたのは、ある意味大きな転換。

国内では残念ながらプラドという名前である事で実力評価を歪めていた感も否めないので、一度名前からリセットするのは良さそう。

個人的には、ランクル300とプラドの境界線の曖昧さはランクル300の需要を一部食いかねず、フラッグシップのランクル300を多く売りたいであろうTOYOTAのビジネス的にどうなんだろうと思っていたので、その点でもスッキリした。

もちろん、ランクル70については、「変わらないこと」に拘るという強いメッセージが発信され、従来からのランクル70ファンに安易な基本構造の変更がないことを約束した点で非常に意義深かったと感じている。

と、専門家ぶった私見を述べたところで、その3車種のスペックを表形式で比較できるように整理しておく。

まだ不明な点もあるが、それぞれの位置づけとリンクしたスペックであることがなんとなく理解できる。

ランクル300・250・70スペック比較表


ランクル70がディーゼルになったことを受け、ランクル300、250もディーゼル仕様車を対象として整理している。

項目 ランクル300(ZXディーゼル) ランクル250(プロトタイプ・ディーゼル) 再再販ランクル70ワゴン(プロトタイプ)
立ち位置
象徴 生活実用 普遍
性能等



車両型式 3DA-FJA300W GDJ76W
総重量(kg) 2825kg
最小回転半径(m) 5.9m
燃費 km/L 9.7km/L 11.2 11.2
エンジン
型式 F33A-FTV 1GD-FTV 1GD-FTV
種類 V型6気筒ICツインターボ (ディーゼル) 直列4気筒DOHC(ターボ) 直列4気筒DOHC(ターボ)
燃料 軽油 軽油 軽油
総排気量(cc) 3345 2.754 2.754
最大出力(NET) 309ps(227kW)/4000rpm 150(204)/3000~3400 150(204)/3000~3400
最大トルク(NET)
71.4kg・m(700N・m)/1600~2600rpm 500(51)/1600~2800 500(51)/1600~2800
燃料供給装置 コモンレール式燃料噴射装置 コモンレール式燃料噴射システム コモンレール式燃料噴射システム
燃料タンク容量 80L
寸法 全長(mm) 4985 4925 4890
全幅(mm) 1980 1980 1870
全高(mm) 1925 1870 1920
ホイールベース 2850 2850 2730
トレッド(前) 1665 1555
トレッド(後) 1665 1460
最低地上高(mm) 225
室内長(mm) 2775
室内幅(mm) 1635 1440
室内高(mm) 1215 1240
ステアリング等 ステアリング パワーアシスト付きラック&ピニオン 電動パワーステアリング(EPS) リサーキュレーティングボール式
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン式独立懸架 ダブルウィッシュボーン式独立懸架 車重式コイルスプリング
サスペンション(後) トレーリングリンク車軸式 トレーリングリンク車軸式 車軸式半楕円リーフスプリング(2枚 ロングテーパーリーフ)
ブレーキ(前) ベンチレーテッドディスク ベンチレーテッドディスク ベンチレーテッドディスク
ブレーキ(後) ベンチレーテッドディスク ベンチレーテッドディスク ベンチレーテッドディスク
駆動方式 4輪駆動(フルタイム) 4輪駆動(フルタイム) 4輪駆動(パートタイム)
変速比等 トランスミッション Direct shift-10AT(電子制御10速オートマチック) DirectShift-8AT(電子制御8速オートマチック) フレックスロックアップ付スーパーインテリジェント6速AT<6SuperECT>
第1速 4.923 3.600
第2速 3.257 2.090
第3速 2.349 1.488
第4速 1.944 1.000
第5速 1.532 0.687
第6速 1.193 0.580
第7速 1.000  ―
第8速 0.801  ―
第9速 0.661  ―  ―
第10速 0.613  ―  ― 
後退 4.307 3.732
減速比 3.307 3.909
副減速比(高) 1.000 1.000
副減速比(低) 2.618 2.566

黄色網掛けは推定。1GDエンジン性能は151プラドのカタログ値を引用したもので、実際は異なる可能性あり。

まとめ


さて、まとめてどうかというと、共通項もそれなりにあるが、寸法、サスペンション、ミッションが少しづつ異なる味付けになっていて、3種類揃えた意図が読み取れるような気がしなくもない(いかんせん素人なんで雰囲気レベル)。

トランスミッション(AT)の違いを見ると、ランクル300は最新技術を駆使した10速、ランクル70は耐久性・実績重視の6速、ランクル250はその間を取ったような感じ(名前だけ見たイメージトーク)で非常に分かりやすい。

できることなら全て試乗して乗り比べたいものだ。

ランクル250は販売開始が来年春以降?と目されるようで、このラインナップが揃うのはまだ少し先。

しかし、路上でこれらの車が沢山走っているのを見るのが楽しみでならない。

ディーラーに行く度にこれらの車のカタログを眺めるのも楽しみだ。

特別仕様車や、ランクル70のMT追加投入などの楽しみも尽きない。

ランクル300の納車ペースが上がっているようだし、現行プラドも路上では相当数みかける。

これに新しいランクル70がポツポツ加わり、暫くしてランクル250が凄い勢いで増殖するはず。

出典:TOYOTA HP

ハイラックスも増えている。

出典:三菱自動車HP

三菱のトライトンも2024初頭復活と発表されている。

出典:SUZUKI HP

ジムニーの5ドア国内投入もあるかもしれない。

気候が熱帯雨林化しているのはもちろん好ましい事ではないが、まるで東南アジアにいるかのように路上がピックアップやクロカン車で溢れかえる、そんな光景が広がるかと思うとワクワクが止まらない。

EVシフトが叫ばれるこの時代、国内市場からは静かに消えていく運命かと思われた国産クロカン車だが、思いがけず訪れたSUVブームのおかげで、最後の楽園期を迎えるのだろうか?

TOYOTAのSUV関連イベントも増えそうだなぁ~

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA