第7回 再販ランクル70 中古車相場動向調査レポート(2023年1月)

まえおき


前回のランクル70中古車市場動向調査は2022年6月。

半年経過して市場はどうなったのか、状況調査を行った。(本来12月を予定していたが再再販の話にうつつを抜かしたため、少し遅延)

※ここで取り上げるランクル70は、2014年に国内再販された、再販ランクル70、復刻ランクル70などと呼ばれる車。(GRJ76K及びGRJ79K )

ランクル70は2023年内の再再販がほぼ確実とみられる状況下、中古車価格の変動も興味深いところだ。

調査結果


○前提条件等

★価格は車両本体価格(諸費用含まず)

★第1回、第2回調査時は450万円以上のものは特殊事情による異常値と判断して除外(→前回3件、前々回6件を除外。)していたが、第3回調査以降は異常値とするには台数が多いため除外せず。

★今回も中古車在庫はグーネットにあるものが全てという前提を置いての定点観測。個人売買など、掲載されていないものは当然漏れているので悪しからず。また、価格が「ASK」となっているものも除外している。

在庫台数

まずは在庫台数を見ていく。

再販ランクル70全体での中古車在庫台数としては、前回の133台から61台と大幅減の72台となった。

新車販売された台数が約7000台なので、概ね1%が中古車市場に出ていることになる。

価格高騰による買い控えで一時的に在庫が急増していたが、ここにきて急減した要因は、SUVブーム、冬に向けてのヨンク需要もあると思う。

それに加えて、そろそろ高値慣れした感もあるのではと思われる。

高止まりの様子を受けて諦めて高値でも購入する人も出てきただろう。

また、高騰して久しいので、300万円後半ならばお手頃価格に見えて買う人も出てきただろう。

ただ、今後は、再再販の情報による買い控えが起こる可能性があり、在庫は増加傾向になるのではないかと推測する。

平均価格

続いて再販ランクル70中古車在庫の平均価格。

販売価格は前回に引き続き

  • バン(GRJ76K)▼3.9%
  • ピックアップ(GRJ79K)▼2.3%

と、ともに僅かながら下落。

全体の平均価格も続落(約2.9%)。

前回は在庫の積み上がりを反映し、上昇が一服、と評価した。

しかし、今回の調査では前回販売されていた車両を値下げして販売継続しているケースも散見され、価格下落傾向といっても良さそう。

ここに再再販情報による買い控えが重なると、このトレンドが継続する可能性は高いと予測する。

ただし、最新の情報ではピックアップは再再販のラインナップにないため、少し違うトレンドになる可能性がある。

平均走行距離

そして再販ランクル70在庫車の平均走行距離。

前回、価格上昇を売却の好機と捉えた走行距離の少ないライトユーザーが売却に動いた結果、走行距離の少ない在庫が増加し、平均距離を押し下げた印象(推測)だった。

しかし、今回は通常のトレンドに戻り、増加した印象。

在庫車のうち約60%(43台)が5万キロ未満の走行距離となっている。

価格は以前に比べれば高いが、まだまだ程度の良い中古車を買える状況にあるといって良さそう。

ちなみに、新車時の再販ランクル70の販売価格は、標準的なオプション設定と一定の値引きなどを踏まえて330〜400万円程度(諸費用込350〜420万円程度)だったと思われる。

こちらは前回も記載していた内容だが、あえて、今の相場で中古車を買うことを正当化することを試みるとすると、以下のような考え方があるだろう。

走行距離が4~5万キロのランクル70はまだまだ慣らし運転といっていい水準で車としての劣化(減価)はほとんどない(と無理やり思い込む。)。

2015年にランクル70を新車で購入し、約8 年間、普通にナンバーをつけて維持すれば、120万円(少なく見て15万/年×8年)ほどの維持費がかかるので、再販当時、380万円で購入して今まで維持するのには、車両代込みで少なくとも510万円ほどが必要となる。

そうならば、今、譲り受ける車が510万円ほどであっても仕方ない。

その間に走って楽しんだ分は、適度な慣らし走行と手間賃と思えばいいので、今の相場で買うのは、特段大きな損をしているわけではないだろう。

実にテキトーな考え方だが、こう考えて、気が済む人が一人でもいて、気持ちよく中古車を購入していただければ幸い。

さて、前回も書いた下りだが、この価格高騰に水を差すことができるとすれば、やはり待望の国内再再販しかない。

「いくら国内復活のために手間暇かかるとはいえ、今の状況であれば400万円半ばでも相当台数が売れるに違いないし、そうすることで中古車市場が300万円台に戻ってくれることも期待できる。中古車業者に美味しい蜜を吸われまくっているばかりでいいのですかTOYOTA様、ここはひとつ半導体も少なく済みそうなランクル70の緊急国内供給による価格安定化という英断をお願いしたいところ」

と暑苦しく書いていたが、これが2023年、実現する状況になったのは何とも嬉しい限り!!

価格帯別在庫台数

次に価格帯別にどの程度の数の再販ランクル70中古車が販売されているかを見ていくことにする。

2019年調査時の200万円代9台は夢の国レベル。今では300万円代ですら安いと思ってしまう状況である。

なお、現状、300万円代に並ぶのは走行距離が10万キロ程度の車となっている。

最大ボリュームゾーンは前回の501万円以上の価格帯から一段階下がって、476~500万円のゾーン。

高値維持しているショップと値下げしているショップに2分されてきており、在庫数が少ない中で、広い価格帯に分散している印象。

走行距離が異常に少ないなど、特殊な事情がある車は別だが、特別な要因もない車(中にはデフロックすらないものも)に500万円以上の価格を設定しているケースも多く、今後の価格動向は興味深いところ。

都道府県別在庫台数

続いて都道府県別の再販ランクル70在庫台数を見ていく。

上位常連の愛知県、北海道、そこに福岡県が急上昇。

当初は上位県にはディーゼル規制の厳しいところが並んでいたが、まだディーゼル車に乗れる北海道、福岡県が上位に入ってきているのは意外。

  • 愛知県はトヨタのお膝元であり、ディーゼル規制区域。
  • 福岡はアウトドアレジャーに励むには好立地。
  • 北海道はアウトドアレジャー適地、かつ雪道走行の機会が多い。

といったところが理由だろうか?まぁ、積極的に取り組む販売業者がいるかどうか、によるところも多いと思うが、鶏卵?

販売店シェア

最後に販売店のシェアを見ておきたい。

なんといっても、今回はランクルといえばの中古車店、フレックスが本領発揮でTOPに躍り出た。

といっても、フレックスが急に在庫を増やしたというよりは、SUVLAND、グッドスピードの在庫が急減したといったほうが良さそう。

前回はその2社で60台近い在庫を抱えていたが、回転の速い2社はどんどん販売価格を切り下げて、在庫を吐き出したということだろう。

ちなみに、毎回書いているが、中古車情報の中でデフロック有無が分かりにくいものが多い。

  • オプション装備としてデフロック明記があるもの
  • オプション装備に記載はないが画像にスイッチが映っているもの。
  • 画像にスイッチ位置が映っていないため有無が断定できないケース(運転席ハンドル付近を助手席側から撮影した画像)

これらの3ケースがあるので、せっかくランクル70を買うのなら、デフロックはあった方がよいのではないかとおもうので、オフロード走行するしないに関わらず、事前に確認することをおすすめしたい。

※GRJ76のスイッチ

まとめ


さて、今回は前回に続いてランクル70中古車相場が下落局面に入った可能性あり、というレポートとなった。

2023年ランクル70の再再販の可能性は、得られた情報によるとかなり高いと思われる。

今後の中古車相場の動向は、その影響を受けることは必至。

再再販ランクル70は今のところ待望のディーゼルエンジン(プラド搭載の1GD 2.8Lターボ)になる模様。

ディーゼルエンジンの低速トルクはやはり魅力的なので、ガソリンエンジンである再販ランクル70の価値はもしかしたら下がるかもしれない。

しかし、再再販ランクル70が前評判どおりATのみであれば、ランクルファンからのニーズが大きいMTの再販ランクル70の価値は維持、または上昇する可能性もある。

もちろん、再再販ランクル70の価格の影響が最も大きいだろう。再販ランクル70の中古車相場は、なんだかんだ言っても、新車価格が上限になるのではないかと推測する。

さて、引き続き半年に1回程度調査を継続していくつもりだが、この先の動向が楽しみだ。

前回も最後に述べたが、再販ランクル70の盗難の話は今までほとんど聞いたことがないものの、価格高騰、希少化が進むと、今後発生する可能性もあるので、皆さん注意されたし。

「第7回 再販ランクル70 中古車相場動向調査レポート(2023年1月)」への2件のフィードバック

  1. 本日発売の某自動車雑誌に気になる記事がありました。→これは珍なり「伝説のランクル70。2度目の復活!?」今年こそ!お願いします。

    1. HDD太郎さん
      コメントありがとうございます!
      これはもう間○いなし、ですかね。
      楽しみですね!

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